※2026年9月25日時点の情報です。国際機関・官公庁などの公表資料をもとに編集部で整理しました。2027年の見通しは調査にもとづく見立てです。本記事には広告がふくまれます。
✓ 縮小しやすいのは「定型的な事務・入力・窓口」の仕事です。
✓ 伸びるのはAI・データ人材と、介護・教育・建設・物流など「人・体・現場」の仕事。世界全体では2030年までに仕事は差し引きで増える見込みです。
✓ 国際機関は「消える」より「中身が変わる」が中心と分析しています。
✓ 2027年に向けては、AIに任せる作業と、自分が責任を持つ判断を分けられる人が有利になりそうです。
「AIで仕事がなくなる」というニュースを見るたびに、あなたも少し不安になっていませんか。職場で生成AIを使う人が増え、「自分だけ取り残されるのでは」と感じている人も多いはずです。
ただ、公的機関の調査を並べると、見えてくるのは「全部なくなる」という単純な話ではありません。この記事では最新の調査をもとに、減りやすい仕事・伸びる仕事と、2027年に向けた見立て、今日からできる行動をまとめました。


読み飛ばしガイド
世界の調査が示す「AIと仕事」の全体像
結論から言うと、主要な調査は「減る仕事はあるが全体では増え、中身が入れ替わる」点でおおむね一致しています。
世界経済フォーラム:2030年までに差し引き7,800万人分の仕事が増える
世界経済フォーラム(WEF)の「Future of Jobs Report 2025」(世界の1,000社以上の雇用主に調査)では、2030年までに1億7,000万人分の仕事が生まれ、9,200万人分が失われ、差し引き7,800万人分の増加という予測です。
最も大きく減るのはレジ係や事務アシスタントなどの事務・秘書系。減るスピードが速いのは銀行の窓口係やデータ入力などです。反対に、伸び率が高いのはビッグデータやAI・機械学習の専門家など。人数では農業、配達ドライバー、建設、介護・看護の仕事も大きく増える見込みです。
働く人のスキルの約39%が2030年までに入れ替わるとされ、雇用主の40%は「スキルが合わなくなった人員を減らす」と答えています。
出典:World Economic Forum「The Future of Jobs Report 2025」
IMF・ILO・OECD:「影響を受ける」と「失業する」は別の話
国際通貨基金(IMF)の2026年1月の報告は、AIスキルを求める求人は給与が高い一方、AIと組み合わせにくい職種では雇用が伸び悩む傾向があり、中間層のホワイトカラーや若手に課題が出やすいと指摘しました。
ILOの2025年の分析では、生成AIの影響を受けうる仕事は世界の4人に1人。ただし結論は「置き換えより変化が中心」です。OECDの日本に関する報告書(2025年11月)も、AIが雇用の量を大きく減らしている明確な証拠はまだないとしています。
出典:IMF「Bridging Skill Gaps for the Future: New Jobs Creation in the AI Age」(2026年1月)/ILO(2025年5月)/OECD「Artificial Intelligence and the Labour Market in Japan」
2026年のアメリカでは「AIを理由にした人員削減」も目立つ
米国の再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスの集計では、2026年1〜8月に発表された人員削減のうち、AIが理由とされたのは11万6,175人分(約22%)でした。ただし8月は理由の4位に下がり、同社も実態はつかみにくいと注意を促しています。
出典:Challenger, Gray & Christmas「Job Cut Announcement Report(August 2026)」
日本ではどうなっている? 利用率と求人の変化
日本では生成AIを使う人・会社がこの1年で一気に増えました。
個人の利用経験は58.8%、企業の業務利用は86.4%
総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、個人で生成AIを使ったことがある人は58.8%(前年の調査は26.7%)。何らかの業務で生成AIを使っている企業は86.4%(前年の白書では55.2%)に達しました。
野村総合研究所の2025年の調査では、課題の1位が「リテラシーやスキルが不足している」(70.3%)。使いこなせる人はまだ足りません。
出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」(個人の利用経験)/同(生成AIの業務利用状況)/野村総合研究所「IT活用実態調査(2025年)」
経産省の推計:2040年に事務職は約440万人余る見通し
経済産業省が2026年3月に示した「2040年の就業構造推計(改訂版)」では、AI・ロボットによる省力化で事務職が約440万人の余剰になる一方、AI・ロボットを使いこなす専門人材は約340万人、現場の人材は約260万人不足するとしています。
出典:経済産業省「2040年の就業構造推計(改訂版)について」
求人:事務・アシスタントは減少予測、企業の7割超が「求める人材が変わった」
転職サービスdodaの「転職市場予測2026下半期」では、15分野のうち「事務・アシスタント」だけが求人減少の予測でした。定型業務をAIに任せる動きが理由です。
みずほフィナンシャルグループは2026年2月、AIで今後10年に事務作業5,000人分の業務量を減らし、営業などへ配置転換する方針と報じられました。「人を減らす」より「持ち場を移す」形です。
出典:doda「転職市場予測2026下半期」/Bloomberg(2026年2月27日)
なくなる(縮小しやすい)仕事・伸びる仕事 一覧表
調査を編集部で整理しました。理由は定型性(決まった手順か)・対人性(人と向き合うか)・身体性(体を使う現場か)・判断責任(結果に責任を持つか)の4つで見ています。
| 仕事の例 | 変化の方向 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 一般事務・データ入力 | 縮小しやすい | 定型的でパソコン内で完結 |
| レジ・窓口・受付 | 縮小しやすい | 手順が決まり、無人化が進む |
| 銀行・保険などの事務 | 配置転換が進む | 書類処理をAIが担いやすい |
| コールセンター(一次対応) | 縮小しやすい | 定番の質問はAIで対応可能 |
| 営業・企画・マーケティング | 中身が変わる | 資料はAI、提案・交渉は人 |
| ライター・デザイナー | 二極化しやすい | 量産はAI、企画・監修は人 |
| AI・データ・セキュリティ人材 | 伸びる | AIを導入・運用する人が不足 |
| 介護・看護・保育・教育 | 伸びる | 対人性が高く、高齢化で需要増 |
| 建設・物流・農業など現場職 | 伸びる | 身体性が高く、人手不足 |
※WEF・ILO・経済産業省・dodaの公表内容をもとに編集部が整理。

「パソコンの中で完結し、手順が決まっている作業」ほどAIに移りやすく、人と向き合う・体を動かす・責任を持つ仕事は残りやすい傾向です。


「なくなる」より「中身が変わる」で考える
大事なのは、「職種がなくなるか」ではなく「自分の仕事のどの作業がAIに移るか」で考えることです。
ILOは多くの仕事で一部の作業だけがAIに置き換わると見ています。OECDの中小企業調査でも、生成AIで必要な人員数は「変わらない」とした企業が83%。多くの職場では「同じ人数のまま、仕事の中身が変わる」ことが先に起きています。
自分の仕事を3つに分けてみる
- AIに任せる作業:下書き、要約、転記、議事録
- AIと一緒にやる作業:企画のアイデア出し、データの整理、資料の構成
- 人が責任を持つ作業:最終判断、関係づくり、トラブル対応
2027年に向けては、1つ目の時間が減り、2つ目と3つ目の比重が増えると考えられます。評価されるのは「AIで浮いた時間を、判断や対人の仕事に回せる人」になっていくでしょう。
「給料」だけでなく「時間」でも考えてみてください。AIで毎日30分浮けば、1か月で約10時間。それを学びや副業、家族に回せるかで、働き方の満足度は大きく変わります。
今日からできるAIスキルの身につけ方
プログラミングから始める必要はありません。「毎日の作業を1つAIに任せる」ことから始めましょう。
ステップ1:毎日の作業を1つAIに任せる(1週目)
メールの下書きや資料の要約など、毎日の作業を1つ選んで生成AIで試します。会社で使ってよいツールは先に確認しましょう。
ステップ2:頼み方(指示の型)を覚える(2〜3週目)
「あなたは〇〇の担当者」「目的は〇〇」のように、役割・目的・条件・形式をそろえて頼むと、答えの質が安定します。
ステップ3:成果を数字で記録する(1か月目〜)
短くなった時間を記録します。dodaも、転職では「AIで業務を効率化した経験」を具体的に説明できることが評価されるとしています。
会議が多い人は、議事録づくりから時短するのも手です。
PLAUDは、録音した音声をAIで文字起こしし、要約までしてくれるAIボイスレコーダーです。話者の区別や多言語にも対応し、会議や商談のメモ取りに追われる時間を減らしたい人に向いています。PLAUDの機能を見る ›
イヤホン型なら、Notta連携のAI議事録イヤホン「ZENCHORD 1」
もあります。録音前には相手の同意と社内ルールを確認してください。
体系的に学ぶなら入門書も便利です。
職種別の生き残り戦略
基本は「AIに移る作業を手放し、人に残る作業を伸ばす」ことです。
事務職
業務を見直し「どこをAIに任せるか」を設計する側に回ると価値が上がります。求人増が予測される経理・人事・法務の知識を足すのも有効です。
営業・販売
提案書や日報はAIに任せ、お客さまと会う時間を増やすのが基本。信頼づくりや交渉は人の強みです。
クリエイティブ(ライター・デザイナー)
量産型の仕事は単価が下がりやすくなります。企画力・専門分野・監修に軸を移しましょう。
ITエンジニア
IMFは一部のIT職にも影響があると指摘。要件整理と、AIが書いたコードの検証・運用が差になります。
介護・医療・教育・現場職
人手不足が続く分野です。記録づくりにAIを使えば、本来の仕事の時間が増える形で恩恵を受けやすいでしょう。
学生・若手
入門的な作業がAIに移るぶん、早くから「AIで成果を出した経験」を積んでおくと、就職・転職で説明しやすくなります。


副業・転職という選択肢
選択肢は「副業」「転職」「フリーランス」の3つ。リスクの小さい順に試すのが安全です。
副業で小さく試す
AIの使用を制限している案件もあるので、募集条件は必ず確認しましょう。
クラウドワークスは、仕事を頼みたい企業と受けたい人をつなぐ、日本最大級のクラウドソーシングサービスです。ライティングや資料作成など、在宅でできる案件から小さく始められます。本業の就業規則も確認しましょう。クラウドワークスで案件を見る ›
自分のスキルを「商品」として出品したい人は、スキルマーケットのココナラ
も選択肢です。生成AI活用のカテゴリーもあります。
転職・就職で持ち場を変える
AI導入を進める部署や専門職へ移るのも一つの道です。既卒・第二新卒など正社員経験が短い人は、就職支援サービスのハタラクティブ
のように未経験から相談できるサービスもあります。
エンジニアはフリーランスも視野に
IT・AIの経験がある人はフリーランスも選択肢です。収入の不安定さが心配なら、条件付きの報酬保障があるフリーランスエンジニア向けのMidworks
なども比べてみましょう。
※副業による収入は、金額によって確定申告が必要な場合があります。扶養の範囲で働く人は年収の壁の解説記事もあわせて確認してください。
デメリット・注意点(情報漏えい・著作権・AI依存)
使い方を誤ると仕事の信用を失うリスクもあります。次の3つに注意してください。
1. 情報漏えい
個人情報や社外秘の資料を、会社が認めていないAIツールに入力するのは避けましょう。社内ルールの確認が最優先です。
2. 著作権
文化庁の整理では、AIで作ったものでも既存の作品と似ていて(類似性)、それをもとにしている(依拠性)と認められれば、著作権侵害になりえます。商用で使う前に既存作品に似ていないか確認しましょう。
出典:文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」
3. AI依存と誤情報
生成AIは、もっともらしい誤り(ハルシネーション)を出すことがあります。数字や固有名詞は一次情報で確認しましょう。考える作業まで丸投げすると、判断力も育ちにくくなります。「下書きはAI、最終判断は自分」を守るのがコツです。
✓ 資料・メール・会議が多い
✓ 作業のやり方を見直すのが好き
✓ 出てきた内容を自分で確かめられる
・個人情報や機密を多く扱う
・AIの答えをそのまま使いがち
・社内でAIのルールがまだない
よくある質問
Q. AIでなくなる仕事ランキングの1位は何ですか?
A. 世界経済フォーラムの報告では、減る人数が最も多いのはレジ係や事務アシスタントなどの事務・秘書系です。
Q. 2027年に事務職はなくなりますか?
A. 一気になくなると示す調査はありません。ただ求人は減少傾向で、入力などの定型作業から、調整やチェックへと中身が変わっていくと考えられます。
Q. AI時代に伸びる仕事は何ですか?
A. AI・データなどの技術職と、介護・教育・建設・物流など対人や現場の仕事です。
Q. AIスキルは何から勉強すればいいですか?
A. 毎日の作業を1つ生成AIに任せることから。プログラミングは必要になってからで大丈夫です。
まとめ
- 世界では2030年までに差し引き7,800万人分の仕事が増える予測(WEF)
- 縮小しやすいのは定型的な事務・入力・窓口。伸びるのはAI・データ人材と、対人・現場の仕事
- 日本でも生成AIの利用は急増。一方で使いこなせる人は不足
- 軸は「なくなるか」より「どの作業がAIに移るか」。浮いた時間を判断・対人の仕事に回す
- 情報漏えい・著作権・AI依存には注意し、「下書きはAI、最終判断は自分」を守る
次の一歩として、明日の仕事から「AIに任せられそうな作業」を1つ選んで試してみてください。
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