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いまの60代・70代は何にお金を使う?家計調査で見る変わるシニア市場

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60代・70代は何にお金を使う?

※2026年9月25日時点の情報です。統計は総務省「家計調査」2025年平均、内閣府「令和8年版高齢社会白書」などの公表値をもとに編集部で整理しました。本記事には広告が含まれます。

結論:いまの60代・70代は何にお金を使う?
✓ 2025年の消費支出は60代の世帯で月32.7万円、70歳以上の世帯で月26.4万円(二人以上の世帯)。
✓ 60代は教養娯楽(旅行・趣味)が月3.5万円で、全年齢の平均より多めです。パック旅行費は全年代でいちばん高い水準です。
✓ 70代になると外食や車の費用が減り、保健医療・交際費・家事サービスの割合が高まります。
✓ スマホは60代の95%、70代の86%が持つ時代。「体験」「学び」「時短」にお金を使うシニアが増えています。

「親はもう年金暮らしだし、節約ばかりしているのかな」。そう思っているあなたは、少し意外に感じるかもしれません。

統計を見ると、いまの60代は旅行や趣味にしっかりお金を使っています。70代になっても、孫へのお祝いや友人づきあい、家事の外注など、「使いどころ」を選んでお金を使っているのがわかります。

この記事では、総務省の家計調査(2025年平均)と内閣府の高齢社会白書(2026年版)、民間の調査をもとに、60代・70代のお金の使い方を表で整理しました。老後の準備にも、親へのプレゼント選びにも役立ててください。

シニアって、実際は何にいちばんお金を使っているんですか?
金額でいちばん大きいのは、どの年代でも食費です。ただ、60代は「教養娯楽」、70代は「保健医療」や「交際費」の割合が高いのが特徴です。順番に見ていきましょう。

60代・70代の生活費は月いくら?

結論から言うと、60代の世帯は月32万7,405円、70歳以上の世帯は月26万4,332円を消費に使っています(二人以上の世帯、2025年平均)。

全年齢の平均は31万4,001円です。60代は平均より多く、70代で大きく下がる、という形です。前年比は実質で60代は1.4%増、70歳以上は0.9%増でした。

出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要」

なぜ60代は支出が多いのか

理由の一つは、まだ働いている人が多いことです。高齢社会白書によると、2025年の就業率は65〜69歳で54.5%、70〜74歳でも36.2%でした。収入があるぶん、車や旅行にもお金を回しやすいのです。

70歳以上の世帯は世帯主の平均年齢が77.7歳。車を手放す人も増え、支出が小さくなります。

出典:内閣府「令和8年版高齢社会白書(全体版)」

支出の内訳を一覧表で比較

家計調査の「10大費目」を、60代・70歳以上・全年齢平均で並べました。カッコ内は消費支出に占める割合です(割合は編集部で計算)。

費目60〜69歳70歳以上全年齢平均
消費支出(合計)327,405円264,332円314,001円
食料92,209円(28.2%)83,000円(31.4%)89,754円(28.6%)
住居19,630円(6.0%)16,803円(6.4%)18,665円(5.9%)
光熱・水道25,635円(7.8%)24,905円(9.4%)24,544円(7.8%)
家具・家事用品13,389円(4.1%)11,355円(4.3%)12,869円(4.1%)
被服及び履物9,154円(2.8%)5,850円(2.2%)9,702円(3.1%)
保健医療17,240円(5.3%)17,330円(6.6%)15,785円(5.0%)
交通・通信51,224円(15.6%)30,939円(11.7%)45,562円(14.5%)
教育3,788円(1.2%)336円(0.1%)11,936円(3.8%)
教養娯楽35,308円(10.8%)24,026円(9.1%)30,796円(9.8%)
その他の消費支出59,828円(18.3%)49,789円(18.8%)54,387円(17.3%)

出典:総務省「家計調査 家計収支編 2025年 第3-2表 世帯主の年齢階級別」(e-Stat)をもとに編集部作成。二人以上の世帯。

60代と70代の月の支出

60代は「交通・通信」と「教養娯楽」の割合が平均より高く、70代は「食料」「光熱・水道」「保健医療」の割合が高くなります。

数字から見える「お金の使い方」の変化

同じ家計調査の細かい項目を見ると、シニアの消費の特徴がもっとはっきりします。

60代は「旅行」にお金を使う世代

パック旅行費は60代で月5,666円。全年齢平均(2,963円)の約1.9倍で、10歳刻みで見るといちばん高い年代です。宿泊料も60代が月3,409円と平均(2,573円)を上回っています。仕事や子育てが一段落し、旅に出やすい時期といえます。

70代は「交際費」と「本」が目立つ

交際費(贈り物やお祝いなど)は、60代が月2万1,723円、70歳以上が2万462円。全年齢平均の1万6,750円よりはっきり多い金額です。お祝いやおつきあいが続いていることがうかがえます。

また、書籍・雑誌などの支出は70歳以上が月3,819円で、10歳刻みの年代別でいちばん多いという結果でした。紙の本や新聞に親しんできた世代らしい数字です。

外食と車は減り、家事サービスは増える

外食は60代の月1万3,797円から、70歳以上では7,295円とほぼ半分に。自動車関係費も3万2,519円から1万8,232円に減ります。

反対に、掃除や家事の手伝いなどの家事サービスは70歳以上が月1,172円で、全年齢平均(944円)より多くなっています。体力に合わせて、家事を「外に頼む」動きが少しずつ広がっています。

変わるシニア市場の6つのトレンド

統計と民間調査を合わせると、いまのシニア市場には6つの流れが見えてきます。

1. 学び直し

高齢社会白書によると、65歳以上で何らかの学習活動に参加している人は28.4%。内容は「家政・家事(料理・裁縫など)」12.0%、「芸術・文化」10.6%、「パソコンなどの情報処理」10.4%が上位です。楽器や語学など、若いころにできなかったことを始める人もいます。

2. 趣味・社会活動と生きがい

同白書では、何らかの社会活動に参加した65歳以上のうち、生きがいを感じている人は84.6%。参加しなかった人より23.0ポイント高い結果でした。

3. 旅行は「食・温泉・景色」重視

クロス・マーケティングが2026年2月に全国3,000人に行った調査では、60代は日帰り旅行や宿泊をともなう国内旅行の実施率が高い傾向でした。70代は宿選びで「食事」「温泉」「景観」を重視する割合が高めです。

出典:クロス・マーケティング「旅行に関する実態・意識調査(2026年2月)」

4. 自分をいたわる「ご自愛消費」

ハルメク 生きかた上手研究所は「2025-2026 シニアトレンド」として、「イマ活」「ご自愛消費」「戦力シニア」「再点火メイク」「ならわし卒業」の5つを挙げました。年賀状じまいなどのしきたりは手放し、自分が満足できる体験や上質なものにはお金を使うという傾向です。

出典:ハルメクホールディングス「2025-2026 ハルメク シニアトレンド」

5. 健康への支出

先ほどの表のとおり、保健医療費は70歳以上で消費支出の6.6%と、平均(5.0%)より高くなります。「予防」への関心も高い分野です。

6. デジタル化

NTTドコモ モバイル社会研究所の2026年1月の調査では、スマホ所有率は60代で95%、70代で86%、80代前半でも69%でした。高齢社会白書でも、2024年のインターネット利用率は65〜69歳で87.9%、70〜74歳で75.3%です。ネット通販や音声サービスも身近になっています。

出典:NTTドコモ モバイル社会研究所「シニアのスマホ所有率」(2026年3月23日)

老後の家計はどう考える?

結論は、「毎月の赤字を貯蓄で埋める前提で、使いどころを決めておく」ことです。

家計調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯は、可処分所得(手取り)が月22万1,544円に対し、消費支出が26万3,979円。毎月4万2,434円の不足を、主に貯蓄の取り崩しでまかなっている計算です。高齢単身の無職世帯でも月2万9,980円の不足でした。

一方で、高齢社会白書によると世帯主が65歳以上の二人以上世帯の貯蓄の中央値は1,658万円。全世帯の中央値(1,189万円)の約1.4倍です。ただし4,000万円以上の世帯が20.0%ある一方、貯蓄が少ない世帯もあり、差は大きいです。

家計を考えるときの3つのステップ

  • ① 年金など毎月の収入と、固定費(住居・光熱・通信・保険)を書き出す
  • ② 旅行や趣味、交際費など「楽しみのお金」を年単位で予算にする
  • ③ 医療や介護、住まいの修繕など「いざというときのお金」を別に確保する

年金や税金、保険の見直しは人によって大きく変わります。具体的な判断は、年金事務所や税理士、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に確認してください。無料で相談できる窓口を使うのも一つの方法です。

FPへの相談を考えている方は、保険ストーリー(FPへの無料保険相談)の対象条件を確認するのも手です。相談の前に、上の3ステップで数字をまとめておくと話がスムーズです。

働きながら年金を受け取る人は年収の壁の解説も参考にしてください。

毎月4万円の赤字って聞くと、旅行や趣味に使うのが怖くなります……。
平均の数字なので、赤字の大きさは家庭ごとに違います。大事なのは「使っていい額」を先に決めること。決めた枠の中なら、安心して楽しめますよ。

暮らしを楽しむためのサービスの選び方

統計で見えた傾向に合わせて、暮らしを楽にするサービスを紹介します。親へのプレゼント選びにもどうぞ。

目が疲れやすい人の読書に「耳で聴く本」

70代は本への支出が多い世代です。細かい文字がつらくなってきたら、朗読をスマホで聴けるオーディオブックなら目を休めながら読書を続けられます。

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耳をふさがないイヤホンがあると便利です。

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大人の習い事は「自宅で自分のペース」から

白書でも「芸術・文化」の学習は上位でした。教室に通うのが負担なら、教本とDVDで自宅から始める方法があります。

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体力に合わせて家事を「部分的に頼む」

家事代行は、水回りの掃除など「負担の大きいところだけ」頼むのが続けやすいコツです。離れて暮らす親のために子どもが手配する使い方もできます。

家事代行を検討するなら、家事代行サービスCaSyの依頼内容を確認すると、どんな作業を頼めるかイメージしやすくなります。

「食事・温泉・景色」で選ぶ旅行

60代の旅行支出は全年代でトップクラス。70代は食事や温泉を重視する傾向があります。移動の負担を減らすなら、駅からのアクセスがよい温泉地を選ぶのがおすすめです。

たとえば、箱根の温泉宿を楽天トラベルで探す、別府温泉の宿を楽天トラベルで探すなどから、条件に合う宿を比べてみてください。秋の旅行先に迷ったら、2026年の紅葉の見頃もあわせてチェックしておくと計画が立てやすくなります。

注意点とお金以外の視点

平均値は「自分の家計」とは違う

紹介した数字はすべて平均です。持ち家か、車があるか、働いているかで家計は大きく変わります。自分の家計簿と比べる材料として使ってください。

シニアを狙う詐欺やサブスクに注意

高齢社会白書によると、2025年の特殊詐欺の認知件数のうち、65歳以上の被害は1万4,232件で、法人被害を除く全体の51.3%を占めました。「還付金がある」「投資で必ずもうかる」といった話は、まず家族や警察相談専用電話(#9110)に相談しましょう。

定額制サービスは、申し込む前に解約方法と料金を確認しておくと安心です。

◎ サービスを活用しやすい人
✓ 使う目的(読書・運動・家事の負担軽減)がはっきりしている
✓ 月の予算の上限を決めている
✓ 家族と情報を共有できる
△ 慎重に考えたい人
・契約内容の確認が苦手
・毎月の収支がまだ把握できていない
・「なんとなく」申し込みがち

「お金」より「時間」と「満足度」で考える

老後のお金は、残すことだけが正解ではありません。ハルメクの2026年の調査(55〜79歳の女性498人)では、お金の使い方に満足している人が52.1%と前年より3.9ポイント増えました。同じ1万円でも、「元気なうちにしかできない体験」に使うと満足度は高くなりやすいものです。

旅行は体力のあるうちに、習い事は「いつか」ではなく今年から。家事代行も「時間を買う」使い方です。

出典:ハルメクホールディングス「お金に関する意識・実態調査2026」

親へのプレゼントを選ぶときは、何を意識するといいですか?
モノより「体験」や「負担が減るもの」が喜ばれやすいです。温泉旅行や家事代行のチケット、耳で聴ける本などは、統計で見えたシニアの消費傾向とも合っています。

よくある質問

Q. 60代夫婦の生活費は月いくらが平均ですか?

A. 家計調査(2025年平均)では、世帯主が60〜69歳の二人以上の世帯の消費支出は月32万7,405円です。働いている世帯もふくむ平均なので、年金だけの世帯はこれより少なくなる傾向があります。

Q. 70代の生活費で多いのは何ですか?

A. いちばん多いのは食料で月8万3,000円(31.4%)です。次いで「その他の消費支出」(交際費など)、交通・通信、光熱・水道、教養娯楽の順です。

Q. 年金暮らしの夫婦は毎月いくら赤字ですか?

A. 65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、手取りより支出が月4万2,434円多い結果でした(2025年平均)。あくまで平均なので、ご自身の状況は年金定期便などで確認してください。

Q. シニアに人気の趣味や習い事は?

A. 高齢社会白書では、学習内容は「家政・家事」「芸術・文化」「パソコンなどの情報処理」が上位でした。

まとめ

  • 2025年の消費支出は、60代世帯が月32.7万円、70歳以上の世帯が月26.4万円
  • 60代は旅行・趣味(教養娯楽)が平均より多く、パック旅行費は年代別トップ
  • 70代は外食・車が減り、保健医療・交際費・家事サービス・本の割合が高まる
  • スマホ所有率は60代95%・70代86%。学び直しや音声サービスも身近に
  • 夫婦の無職世帯は月約4.2万円の不足が平均。「楽しみの予算」を先に決めるのがコツ

まずは、あなたの家の1か月の支出を上の表と比べてみてください。

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