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2026年、ゼルダの伝説は誕生40周年。「シリーズは発売順と物語の時系列のどちらで追えばいい?」「リンクやゼルダは毎回同じ人物?」「『ブレス オブ ザ ワイルド』はどの分岐に入る?」という疑問を、任天堂の公式資料をもとに整理します。
まず押さえたいのは、現実の発売史と作中のハイラル史は別の年表だということです。1986年発売の第1作は、作中時系列の最初ではありません。また1998年の『時のオカリナ』を境に、作中の歴史は複数の流れに分かれます。この記事では先に結論と作品一覧を示し、その後に40年間のゲームデザインの変化、最後に物語の時系列を解説します。物語の核心に触れる箇所は「ネタバレあり」と明示します。
ゼルダの伝説の歴史を30秒でつかむ
- 出発点は1986年2月21日。ファミリーコンピュータ ディスクシステム用『ゼルダの伝説』が発売されました。
- シリーズの基本は「探索して発見し、道具と発想で謎を解く」こと。ハードが変わっても、この遊びが形を変えて受け継がれています。
- 作中で古い時代を描く作品は『スカイウォードソード』。任天堂の年表ではマスターソード誕生の物語から歴史をたどれます。
- 『時のオカリナ』後の歴史は三つの流れに分岐。勇者敗北、勇者勝利後の子ども時代、大人時代です。
- 『ブレス オブ ザ ワイルド』と『ティアーズ オブ ザ キングダム』は連続した物語。任天堂の40周年版ハイラル史では、従来の三分岐とは分けて掲載されています。どの分岐の何年後かは公式図から断定できません。
- 2024年の『知恵のかりもの』ではゼルダ姫が主人公。2026年にはシリーズ40周年を迎え、Nintendo Switch 2向け『時のオカリナ』フルリメイクが11月5日発売予定です(2026年10月3日時点)。
なお「40周年」は第1作からの経過年数を指します。発売されたゲームの数や作中で流れた年月を表すものではありません。任天堂の40周年ヒストリーとハイラル・クロニクルを照合して読み進めてください。
「ゼルダの伝説40周年」特設サイト公開のお知らせ(公式Xのポスト)
— ゼルダの伝説 (@ZeldaOfficialJP) 2026年9月8日
発売順で見るゼルダの伝説シリーズ年表
下表は、任天堂の40周年ヒストリーに載る主なオリジナル作品を、日本での初出年で並べたものです。移植・HD版・Switch 2 Edition・無双などの派生作は表の対象から外し、本文で補足します。『神々のトライフォース&4つの剣』は収録された新作『4つの剣』の節目として掲載しています。
| 発売年 | 作品 | 初出ハード | 歴史上のポイント |
|---|---|---|---|
| 1986 | ゼルダの伝説 | ディスクシステム | 探索型アクションの原点 |
| 1987 | リンクの冒険 | ディスクシステム | 横スクロール戦闘へ挑戦 |
| 1991 | 神々のトライフォース | スーパーファミコン | 光と闇の二世界 |
| 1993 | 夢をみる島 | ゲームボーイ | 携帯機の濃密な冒険 |
| 1998 | 時のオカリナ | NINTENDO 64 | シリーズ初の本格3D化 |
| 2000 | ムジュラの仮面 | NINTENDO 64 | 三日間の時間構造 |
| 2001 | ふしぎの木の実 大地の章・時空の章 | ゲームボーイカラー | 季節と時間を用いた二部作 |
| 2002 | 風のタクト | ゲームキューブ | 大海原を舞台にした航海 |
| 2003 | 神々のトライフォース&4つの剣 | ゲームボーイアドバンス | 協力して遊ぶ『4つの剣』 |
| 2004 | 4つの剣+/ふしぎのぼうし | ゲームキューブ/GBA | 協力プレイと小さな世界の探索 |
| 2006 | トワイライトプリンセス | Wii/ゲームキューブ | 影の世界と狼のリンク |
| 2007 | 夢幻の砂時計 | ニンテンドーDS | タッチ操作と航海 |
| 2009 | 大地の汽笛 | ニンテンドーDS | 鉄道で巡る新生ハイラル |
| 2011 | スカイウォードソード | Wii | マスターソード誕生を描く |
| 2013 | 神々のトライフォース2 | ニンテンドー3DS | 壁画になって二世界を往来 |
| 2015 | トライフォース3銃士 | ニンテンドー3DS | 三人協力の謎解き |
| 2017 | ブレス オブ ザ ワイルド | Switch/Wii U | オープンエアの大転換 |
| 2023 | ティアーズ オブ ザ キングダム | Switch | 空・地上・地底と創作する遊び |
| 2024 | 知恵のかりもの | Switch | ゼルダ姫が主人公 |


表の発売年は任天堂公式の発売史に合わせています。見た目が似ていても、発売順はゲームの進化を知る道筋、作中時系列は物語のつながりを知る道筋です。初めて遊ぶ人が必ず作中時系列順に進める必要はありません。
1986〜1993年:探索と謎解きの型が生まれた
1986年『ゼルダの伝説』――自分で世界を調べる冒険
シリーズ第1作が発売されたのは1986年2月21日。ディスクシステムと同時期に登場した作品です。上から見下ろす画面で野原、洞窟、迷宮を行き来し、隠された入口や必要な道具を探します。「次にどこへ行くか」を自分で考える感覚が、後の作品にも通じる核になりました。敵を倒すだけでなく、壁や地形を観察し、試して、偶然のような発見を自分の手柄に変える。説明を先回りして与えすぎない作りが冒険心を刺激します。
宮本茂氏は任天堂の開発者インタビューで、当時の冒険映画やパソコンRPGを背景に、剣と魔法の世界で宝探しをするゲームを構想したと振り返っています。ディスクメディアによりセーブできたことも、広い世界を少しずつ進む遊びと相性がよかった点です。作中ではリンクが知恵のトライフォースの欠片を集め、ゼルダ姫の救出を目指します。任天堂の開発者インタビューは誕生の経緯を確かめる一次資料です。
1987年『リンクの冒険』――あえて違う戦い方へ
第2作は第1作の後日談ですが、戦闘は横スクロール主体に変わりました。経験値による成長、剣の間合いを測る戦い、魔法など、前作と異なる手触りがあります。シリーズが初期から一つの形式だけに固定されていなかったことを示す作品です。後年の作品にも地名や人物名としてその痕跡が見えますが、それぞれの要素の直接的な由来を推測だけで結びつけるのは避けたいところです。
1991年『神々のトライフォース』――二つの世界を行き来する
スーパーファミコンの表現力を使い、光の世界と闇の世界を対応させた探索が登場。片方で取った行動がもう片方の道筋を開くという、世界そのものを謎解きに使う構造が印象的です。剣、盾、道具を使い分けながら各地のダンジョンを巡る遊びは、後の2Dゼルダを語る際の重要な基準になりました。物語の中心にはトライフォースをめぐる戦いがあり、シリーズの神話性も強まりました。
1993年『夢をみる島』――ハイラルの外でもゼルダになる
ゲームボーイの『夢をみる島』は、コホリント島を舞台にした異色作です。リンクは航海中の嵐で島に漂着し、島を離れる方法を探します。舞台がハイラルでなくても、発見、道具、迷宮、人との出会いによって「ゼルダらしさ」が成立することを示しました。限られた画面の中で、島の住人や音楽を物語の手がかりにした点も魅力です。2019年にはNintendo Switch向けにリメイクされ、初出とは違う表現で遊べるようになりました。
1998〜2015年:3D化、携帯機、協力プレイへの広がり
1998年『時のオカリナ』――3D空間で「狙う・移動する・解く」を再設計
『時のオカリナ』は、ゼルダの謎解きと戦闘を立体空間へ移した節目です。子どもと大人、二つの時代を往来しながら、同じハイラルで起こる変化を体験します。高低差のあるダンジョン、奥行きのある視線誘導、距離を意識した戦闘は、2D作品で磨いた「見つける楽しさ」を別の方法で表現しました。後の3Dアクションを語るときに名前が挙がる理由は、画面を3Dにしただけでなく、探索の文法そのものを作り直したからです。
物語上も重要で、任天堂の公式クロニクルは本作の後を「勇者が敗北」「勇者が勝利し子ども時代へ戻る」「勇者が勝利した大人時代」の流れとして示しています。分岐を知るうえで最も重要な一本ですが、初見なら年表を暗記せず、まずリンクが子どもと大人で変わる世界を味わうだけでも十分です。なお2026年10月3日時点で、Nintendo Switch 2向けフルリメイクの発売日は同年11月5日と任天堂が発表しています。1998年版と2026年版は同じ作品を土台にした別の発売機会として扱い、年表上の出来事を二重に数えません。
2000年『ムジュラの仮面』――三日間を繰り返す濃密な世界
『時のオカリナ』のリンクが、別れた友を探す旅の途中でタルミナに迷い込みます。月が迫る三日間を何度もやり直し、人々の生活や出来事の時刻を把握して解決策を見つける構造は、単に制限時間を課すためのものではありません。繰り返すほど「あの時間にあの人は何をしているか」が分かるため、世界の理解そのものが進歩になります。仮面による変身も、異なる立場から場所や課題を見直す仕組みとして機能しています。
2001年『ふしぎの木の実』――季節と時間の二部作
ゲームボーイカラーでは『大地の章』『時空の章』という二作品が登場。ホロドラムでは季節、ラブレンヌでは時代の変化を使い、通れなかった道を開いていきます。二つを連動させる遊びもあり、「同じ基本ルールを別の仕掛けで使い分ける」面白さが際立ちます。発売順の年表では1993年の『夢をみる島』より後ですが、任天堂の作中クロニクルでも、勇者敗北の流れで『夢をみる島』の後に置かれています。
2002年『風のタクト』――海に変わったハイラル
『風のタクト』の舞台は島々が点在する大海原。船に乗って海図を頼りに進み、遠くの島を発見する過程そのものが冒険です。独特のアニメ調の表現は明るく見えますが、物語の背景には「時の勇者が去った大人時代」に続く、かつての王国の歴史があります。海は単なるマップの広さではなく、失われた過去と新しい未来をつなぐ舞台です。未踏の地へ進む自由さは、後の広い世界のゼルダとも比較できます。
2003〜2004年『4つの剣』系と『ふしぎのぼうし』
『神々のトライフォース&4つの剣』には、複数人で進む『4つの剣』が収録されました。2004年の『4つの剣+』も、分身したリンクが協力して仕掛けを解く方向を発展させています。一人で考えるパズルが中心のシリーズに、ほかのプレイヤーと役割を分ける面白さを加えた実験といえます。
同じ2004年の『ふしぎのぼうし』は、リンクが小さなピッコルの世界に触れる作品です。大きさが変わると、いつもの部屋や庭が別の地形に見える。巨大な地図を広げる代わりに、視点の尺度を変えて新しい探索を生み出しました。作中年表では『時のオカリナ』より前に置かれます。発売史と物語史がずれる典型例です。
2006年『トワイライトプリンセス』――光と影を歩く
青年リンクが狼の姿になり、ミドナとともに影に覆われたハイラルを巡ります。人の姿ではできないことを狼の能力で補い、同じ場所を違う方法で読み直していく設計です。物語は『時のオカリナ』後の「子ども時代」の流れに属します。『風のタクト』と同じ3Dゼルダでも舞台の色調や主人公の姿を大きく変え、シリーズの表現の幅を広げました。
2007年『夢幻の砂時計』と2009年『大地の汽笛』――DSで操作を変える
『夢幻の砂時計』は『風のタクト』から数か月後の冒険。海を進みながら、タッチペンを使った操作で移動や謎解きに取り組みます。続く『大地の汽笛』では見習い機関士のリンクが線路で各地を巡り、ゼルダ姫と協力します。二作品とも携帯機の操作に合わせ、画面への触れ方自体を謎解きへ取り込んだのが特徴です。海から新大陸、そして新生ハイラルへと続く作中の流れも分かりやすく描かれています。
2011年『スカイウォードソード』――物語の起点へ
発売はシリーズ中盤以降ですが、物語の舞台は遠い太古。空に浮かぶ島で暮らすリンクが地上へ降り、マスターソード誕生へとつながる出来事を経験します。「ゲームの歴史では新しい作品が、ハイラルの歴史では古い」という逆転を理解すると、二つの年表を混同しにくくなります。Wiiの体感操作で剣を振る遊びを重視し、2021年にはNintendo Switch向けのHD版も発売されました。原点の神話に興味がある人の入口になります。
2013年『神々のトライフォース2』、2015年『トライフォース3銃士』
『神々のトライフォース2』は、壁に描かれた絵のようになって壁面を移動し、ハイラルとロウラルを行き来します。見慣れた2D見下ろし型でも、壁を横に歩く発想によって地形の読み方が変わりました。一方、『トライフォース3銃士』では三人の協力が主役です。服装や高さを利用し、誰か一人では届かない場所を突破します。シリーズは3D大作だけを一本道に拡大したのではなく、携帯機で2Dと協力プレイの可能性を探り続けました。
2017〜2026年:自由な探索と発想の時代

2017年『ブレス オブ ザ ワイルド』――行き先を自分で決める
Nintendo SwitchとWii Uで発売された『ブレス オブ ザ ワイルド』は、シリーズの遊び方を大きく組み替えました。目覚めたリンクは記憶を失っており、広いハイラルを旅しながら100年前の厄災とゼルダ姫の足跡を知ります。決められた順にダンジョンを巡る感覚より、見えた山に登る、地形を利用する、天候に備える、といった自分の判断が冒険の中心に来ます。
自由だからといって目的が消えたわけではありません。遠くに見える塔や祠、集落、地形の変化が小さな目標を自然に生みます。プレイヤーごとに進む順番が違い、同じ課題でも複数の解き方を試せる。この「発見の主導権をプレイヤーに渡す」という思想は、1986年の第1作が持っていた探索の喜びを、現代の広大な世界で表現し直したものと捉えられます。なおこれはゲームデザインについての解釈であり、任天堂が両作の世界を同一視しているという意味ではありません。
2023年『ティアーズ オブ ザ キングダム』――世界に手を加える
前作の厄災討伐からしばらく後。ハイラル城地下の調査をきっかけに天変地異が起こり、リンクはゼルダ姫を探して再び旅に出ます。舞台は地上に加えて空と地底にも広がりました。物を組み合わせるウルトラハンド、武器などを組み合わせるスクラビルド、天井を抜けるトーレルーフなどによって、発見した環境に自分の解決策を持ち込めます。
前作が「どこへ行くか」の自由を押し広げたとすれば、本作は「そこにどう到達し、何を作るか」を問いかけます。誰かの正解をなぞるだけでなく、失敗した工作から次の方法を思いつく時間も遊びの一部です。物語ではハイラル王国建国期や封印戦争が重要になります。ただし、この封印戦争を『神々のトライフォース』へ続く勇者敗北ルートの封印戦争と、名前だけを理由に同一視しないことが大切です。任天堂の40周年版クロニクルでは両者は別の位置に示されています。
作品のパッケージ画像:『ティアーズ オブ ザ キングダム』
2024年『知恵のかりもの』――ゼルダ姫自身の冒険
『知恵のかりもの』では、行方不明になったリンクや民を救うため、ゼルダ姫が自らハイラルを巡ります。物や魔物を「カリモノ」として使い、目の前の問題をどう解くかを考える作品です。シリーズ名にあるゼルダが操作する主人公として前面に立ったことは、長い発売史の中でも大きな節目です。戦い一辺倒ではなく、知恵を使って環境を組み替える面白さが強調されました。任天堂の40周年版クロニクルでは、作中時系列上、勇者敗北の流れの後半に位置づけられています。
作品のパッケージ画像:『知恵のかりもの』
2025年のSwitch 2 Editionと2026年の40周年
2025年6月5日には『ブレス オブ ザ ワイルド』『ティアーズ オブ ザ キングダム』のNintendo Switch 2 Editionが発売されました。任天堂は解像度やフレームレートの向上、ゲーム連携サービス「ZELDA NOTES」への対応などを案内しています。これらは既存作をSwitch 2で遊ぶための版であり、物語の新作が二本増えたという意味ではありません。
2026年2月21日には第1作発売から40年を迎えました。任天堂は記念サイトで発売史と作中のハイラル史を公開し、同年11月5日発売予定のNintendo Switch 2向け『時のオカリナ』を1998年作のフルリメイクと説明しています。現在は発売前なので、発売後の評価や内容を断定しません。予定は変更される場合があるため、購入や予約の前には任天堂の最新案内を確認してください。
Nintendo Switch 2 ソフト『ゼルダの伝説 時のオカリナ』11月5日発売の告知(公式Xのポスト)
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) 2026年9月8日
ゼルダの伝説は何が一貫している?40年を貫く四つの柱
1.目の前の景色に「まだ知らないこと」がある
第1作の隠し洞窟から『ブレス オブ ザ ワイルド』の遠い山まで、シリーズは景色の中に疑問を置いてきました。「あそこには行けるか」「この壁の向こうには何があるか」と考えた瞬間、プレイヤーは指示を待つ人から探索者になります。地図が広くなっただけではなく、見たものを手がかりに試行錯誤する仕組みが継続しているのです。
2.道具は鍵であり、発想を広げる手段でもある
古典的な作品では新しい道具で以前の場所へ戻ると道が開きます。『時のオカリナ』なら時間の違い、『ふしぎのぼうし』なら大きさ、『神々のトライフォース2』なら壁移動が「見えていたのに通れなかった場所」を変えました。近年作では一つの課題に使える手段が増え、道具を正しい鍵穴に入れる感覚から、手持ちの能力を組み合わせる感覚へ比重が移りました。変化の中心には、プレイヤーが自分で気づく喜びがあります。
3.毎回同じ主人公に見えて、同じ人物とは限らない
シリーズにはリンク、ゼルダ姫、ガノン/ガノンドロフという名や役割が繰り返し登場します。しかし『リンクの冒険』のリンクが第1作と同一人物である一方、『風のタクト』は別の時代・場所のリンクです。任天堂の公式キャラクター紹介も、同じ名前でも別人の場合が多いと案内しています。緑の服やマスターソードといった共通点は、すべての作品が一人のリンクの生涯を描く証拠ではありません。
4.ハイラルは背景ではなく、変化する歴史の舞台
王国が栄える時代もあれば、衰退し、海に沈み、新しい土地に建て直される時代もあります。『大地の汽笛』の線路と『風のタクト』の海は、単に移動方法を変えたものではなく、そこに暮らす人々の時代を表します。シリーズの各作品は単独でも楽しめますが、歴史を知ってから風景を見ると、城跡や伝承が違って見えるでしょう。
【ネタバレあり】ハイラルの歴史を時系列で読む
ここからは任天堂の40周年版ハイラル・クロニクルを基準に、作中の出来事を整理します。歴史の分岐や作品の結末に触れます。未プレイで物語の驚きを大切にしたい人は、この章を飛ばして「発売順と時系列順、どちらで遊ぶべき?」へ進んでください。
共通の古代:天地創造から『時のオカリナ』まで
公式クロニクルは、女神による天地創造とトライフォースの誕生から始まります。続く遠い太古の出来事として『スカイウォードソード』が置かれ、女神ハイリア、ゼルダ、マスターソードの始まりが語られます。その後、聖地の封印、ハイラル王国建国、ピッコル伝説やフォーソードの時代へと進みます。作品でいえば『ふしぎのぼうし』『4つの剣』がこの時期です。
さらにハイラル統一戦争を経て『時のオカリナ』へ。ガノンドロフがトライフォースを狙い、リンクは子どもと大人の時代を行き来します。ここが年表の大きな分岐点です。重要なのは、三本の流れは単純に「どれが正史か」を争うものとして読む必要がないこと。任天堂はそれぞれの流れを公式図に載せています。作品を理解するための地図として使うのが実用的です。
関連資料:『ゼルダの伝説 ハイラル百科』。30周年時点の書籍です。最新の時系列は任天堂の40周年版クロニクルで確認してください。
分岐1:時の勇者が敗北した歴史
公式クロニクルでは、時の勇者がガノンドロフに敗れた流れに、六賢者によるガノン封印と封印戦争が続きます。その先の作品は『神々のトライフォース』→『夢をみる島』→『ふしぎの木の実 大地の章・時空の章』→『神々のトライフォース2』→『トライフォース3銃士』→『知恵のかりもの』→初代『ゼルダの伝説』→『リンクの冒険』です。これは2026年の公式図に沿った並びです。
この流れではトライフォースをめぐる争いと王国の衰退が繰り返し描かれます。『神々のトライフォース』で光と闇の世界を渡り、コホリント島やロウラルなどへ舞台を広げた後、『知恵のかりもの』でゼルダ姫の冒険が挟まります。初代『ゼルダの伝説』はシリーズの発売史のスタートですが、この作中史ではかなり後の出来事です。初代が「作品として古い=世界の起点」ではない理由が、ここで明確になります。
分岐2:時の勇者が勝利し、子ども時代へ戻った歴史
勝利後、リンクが元の子ども時代へ戻った流れは、『ムジュラの仮面』→『トワイライトプリンセス』→『4つの剣+』へつながります。タルミナへの旅は『時のオカリナ』のリンク本人の後日談。一方、『トワイライトプリンセス』では別の時代のリンクが影の世界の危機に直面します。公式図ではさらに、ガノンドロフの転生とフォーソードをめぐる『4つの剣+』が置かれています。「同じリンクが全部を経験した」と考えず、時代ごとに勇者の役割が受け継がれると捉えると分かりやすいでしょう。
分岐3:時の勇者が勝利した大人時代の歴史
こちらは勇者が元の時代へ去った後の大人時代です。ハイラルは危機を経て水没し、海上の島々で人々が暮らす『風のタクト』へ進みます。続いて『夢幻の砂時計』、新大陸で建国された後の『大地の汽笛』が並びます。『風のタクト』のリンクと『夢幻の砂時計』のリンクは同じ冒険の続きですが、『大地の汽笛』では時代が進み、移動手段も海から鉄道へ変化します。地形も王国も変わるため、単なる「前作のマップ違い」には収まりません。
『ブレス オブ ザ ワイルド』と『ティアーズ オブ ザ キングダム』の位置
2026年の任天堂公式クロニクルでは、古代にゾナウ族が関わるハイラル王国建国、魔王ガノンドロフ誕生と封印戦争、幾度もの厄災、約100年前の大厄災、現代の『ブレス オブ ザ ワイルド』、その後の『ティアーズ オブ ザ キングダム』を一連の流れとして示しています。『ティアーズ オブ ザ キングダム』が『ブレス オブ ザ ワイルド』の後であることは明確です。
一方、従来の三分岐のどれに何年後として接続するかは、この公式図では明示されていません。地名や伝承に似た要素があるためさまざまな考察ができますが、考察を確定した公式設定として断言しないのが正確です。この記事では「近年の二作は連続している」「三分岐との接続点は公式図で特定されていない」と分けて扱います。また『ティアーズ オブ ザ キングダム』の「封印戦争」と、勇者敗北ルートに示された「封印戦争」は、公式図で別々に描かれています。
発売順と時系列順、どちらで遊ぶべき?
初めてなら、興味を持った作品からで構いません。シリーズは同じ世界の伝承を共有しながらも、各作品で冒険の目的と遊び方が分かるよう作られています。ゲームの進化を体験したいなら発売順、ハイラルのつながりを考えたいなら時系列順、特定の主人公の旅を追いたいなら直接の続編を選ぶとよいでしょう。
- 現代的な自由探索が好き:『ブレス オブ ザ ワイルド』→『ティアーズ オブ ザ キングダム』。続編の関係が明確なので、この順番がおすすめです。
- シリーズの大きな転換点を知りたい:『時のオカリナ』→気に入った分岐の作品。2026年11月5日発売予定のSwitch 2版を待つ選択肢もあります。
- 2Dの謎解きから入りたい:『夢をみる島』または『知恵のかりもの』。どちらも冒険の手触りを比較的短い単位で味わえます。
- 神話の始まりを知りたい:『スカイウォードソード HD』。作中の古い時代から理解したい人に向きます。
- 海の三部作を追いたい:『風のタクト』→『夢幻の砂時計』→『大地の汽笛』。ただし現在遊べる機種や提供状況は作品ごとに異なるので、購入前に公式案内を確認してください。
現在Nintendo Switch/Switch 2で遊べる作品は、任天堂の公式ゲーム一覧で確認できます。移植版やNintendo Switch Online収録作の提供状況は変わり得るため、古いまとめ記事だけで判断しない方が確実です。当サイトの2026年9月の任天堂発表まとめでは、40周年関連のニュースも紹介しています。
ゼルダの伝説の歴史に関するよくある質問
Q.シリーズ第1作は何年に発売された?
日本では1986年2月21日、ファミリーコンピュータ ディスクシステム向け『ゼルダの伝説』が発売されました。2026年はその40周年に当たります。海外の発売日や後年の移植版の発売日と混同すると年がずれるため、ここでは日本での初出を基準にしています。
Q.作中時系列で一番古いゲームはどれ?
任天堂の40周年版クロニクルで、物語の起点側に置かれているのは『スカイウォードソード』です。マスターソード誕生の物語が描かれます。ただし、公式図はゲーム本編よりさらに前に天地創造などの出来事も示しています。「最初のゲーム」と「世界の最初の出来事」は分けて考えてください。
Q.リンクは毎回同じ人? ゼルダ姫は?
作品によって異なります。第1作と『リンクの冒険』のリンクは同一人物で、『時のオカリナ』と『ムジュラの仮面』も直接つながります。その一方、離れた時代の作品には別のリンクやゼルダ姫が登場します。名前が同じことだけで同一人物と判断しないのが基本です。作品ごとの説明は任天堂のキャラクター紹介が参考になります。
Q.『知恵のかりもの』は公式年表のどこ?
任天堂の2026年版クロニクルでは「時の勇者が敗北した歴史」に置かれ、『トライフォース3銃士』より後、初代『ゼルダの伝説』より前に示されています。これは作品の発売年ではなく、作中の配置です。2024年発売という現実の順番と混ぜないようにしましょう。
Q.『ブレス オブ ザ ワイルド』は三分岐のどれ?
任天堂の40周年版クロニクルは『ブレス オブ ザ ワイルド』と『ティアーズ オブ ザ キングダム』を続く流れとして示す一方、従来の三分岐のどこへ接続するかを明示していません。「この分岐で確定」とする説は、公式が追加説明するまで考察として扱うのが適切です。
Q.2026年の『時のオカリナ』は新しい物語?
任天堂は、1998年にNINTENDO 64で発売した作品のフルリメイクと説明しています。Nintendo Switch 2版の発売予定日は2026年11月5日です。2026年10月3日時点では発売前なので、遊び心地や完成版の変更点を体験済みのようには書けません。公式が公開した仕様を確認したい人は、記事末の発表ページをご覧ください。
まとめ:ゼルダの「歴史」は二つの順番で楽しめる
『ゼルダの伝説』の40年は、1986年の探索型アクションから3D化、携帯機での工夫、オープンエア、ゼルダ姫を主人公にした新しい謎解きへと続くゲームの進化の歴史です。同時に、創世の神話、マスターソードの誕生、『時のオカリナ』後の三分岐、さらに近年二作の王国史が重なるハイラルの物語の歴史でもあります。
迷ったら、まず自分が遊びたい舞台や仕掛けを選んでください。一本を遊んだ後で公式年表を見直すと、単なる作品一覧だった表が、誰かの冒険の記録に変わります。発売順と時系列を区別し、公式に書かれた事実と考察を分けて読むことが、この長いシリーズを楽しむ一番の近道です。
確認した一次資料
- 任天堂「ゼルダの伝説40周年:History」:各作品の初出日・初出機種・あらすじ
- 任天堂「ゼルダの伝説40周年:Chronicle」:ハイラルの作中時系列と分岐
- 任天堂「Triforce」:女神、トライフォース、シリーズの基本設定
- 任天堂「Characters」:リンクらの作品ごとの関係
- 任天堂「ゼルダの伝説篇」開発者インタビュー:初代開発の背景
- 任天堂「Switch 2版『時のオカリナ』発表」:2026年の発売予定
- 任天堂「Switch 2 Edition発表」:2025年の二作品の仕様
情報確認日:2026年10月3日。発売予定や提供状況は変更される場合があります。作品内容に関する記述は任天堂の公式公開資料を参照し、ゲームデザインについての評価・比較は編集部の解釈として記載しました。
