ニュースでは度々インフレとかデフレといった単語が飛び交いますが、そもそもインフレ・デフレとは?と思っている方もいるのではないでしょうか。
給与が上がらず、でも物価が上がり続けていて生活が苦しくなっている人も多い中、貯金だけをし続けるのは間違っているのではないか?という疑問も抱いている人は多いかと思います。
本記事では、インフレ・デフレとは一体何なのかということを簡単に説明した上で、じゃあどのように向き合って行ったら良いのか、ということも含めて解説します。
インフレとは?
インフレーション(inflation)の略で、簡単に言うと通貨が膨張して通貨の価値が落ちていること。
通貨の価値が落ちると、物価が上昇する。
簡単な例を出しますと、
100円の価値が半減したとする(見た目的には100円玉だが実質的に半分の価値になっているという意味)→今まで100円の価値だったパンが実質的に200円の価値になる。→パンを買う為には、100円玉2枚という価値が必要になる。
ということです。通貨の価値だけが落ちたら相対的に物の価値は上がりますよねという流れです。
従業員に賃金を支払う経営者から見た場合、インフレが起きたら喜ぶ形になります。
実質的に支払っている額が下がっているので。もちろん従業員から見たら悲しい話です。
インフレは労働者から経営者への所得移転が起こっているとも言えます。
またインフレの場合は、借金をして不動産に変えたりすることが期待値の高い行動と言えます。(物価が上昇し、お金の価値が下落するため。)
デフレとは?
デフレーション(defltion)の略で、通貨の価値が上がり、物価が下落します。要はインフレの逆です。
通貨の価値が上がってしまうので、賃金を支払う経営者は困ります。
だったら上げる賃金を減らしたら良いのでは?これは確かにその通りなのですが、賃金は上げるのは簡単ですが、下げるのは難しいという現実的な問題があります。
例えば月給20万円を貰っているとして、経営者が急に「ちょっと今デフレだから来月から月給18万円ね。」とさらっと言うわけにもいかないのです。もしもこういうことでもされようものなら、デフレだからって給与を変えていない他の企業に流れて行くと思います。
今日本はデフレデフレと騒がれていますが、2000年以降の日本のデフレは中国からの輸入とITの技術革新による相対的な低下にあります。
ただ、これはグローバルの競争によるものなので、悪いこととは言い難いところもあります。
グローバルの競争ということは、他国でも普通にデフレは起きているよね?
→その通りです。
では何故日本だけこんなにデフレが目立っているのですか?
→これは、非正規社員の増加(生産性に見合う合理的な賃金設定)によるものと、中高年社員の資金抑制に原因があります。
今日本の非正規社員は2000万人を超えております。一般的に非正規社員は、正社員と比較し「給与が少ない」「雇用が不安定」「キャリア形成が難しい」という面を抱えております。
経営者側からすると、ありがたい話かもしれませんが、従業員からしたら単純に賃金が下がっていることに他なりません。
デフレが目立つというのは国民が賃金的なところで年々苦しくなっていることを実感してきているということにもなります。
日本は他国と比較して、デフレの影響を国民が被っている為これだけ騒がれていることになります。
インフレ・デフレとは?お金の価値や物価がどうなるのか簡単に説明します!|まとめ
インフレーション(インフレ)・デフレーション(デフレ)に関して簡単に説明しましたが、いかがでしょうか?
インフレ・デフレと世間的によく言われますが、それが何を引き起こすのかを細かく理解している人は少ないかと思います。
よく、
「貯金こそ正義」
「いやいや不動産や金などの資産に変えておくべき!」
など色々な意見がありますよね。
これは実はどちらが間違っていてどちらがあっていると厳密に決めることはできません。
というのも、その発言をするまさにそのタイミングの経済背景がどうなっているかを考慮する必要があるからです。
インフレ状態であれば、お金の価値が落ちていくので、不動産や金、株式などに変換してポートフォリオを組むのが期待値の高い行動となります。
一方でデフレ状態の場合は、物の価値が落ち、相対的にお金の価値が上がるので、むやみやたらに不動産を抱えたりすると資産価値がどんどん下落してしまう可能性が高いと言えます。
もちろんその中でも上手にやる上級者もいるけど、難易度は間違いなく変わるよね。
自分の人生で資産をどうしていくのかを決める場合、まずは今まさにどのような経済状況になっているのかを把握し、その上で最適と思えるポートフォリオを組む意識を常に持っておくことがとても大切です。
置かれている状況を何も考えないで、「不動産を持つべき!」とか思考停止になっちゃうのは危ないってことよね...
参考記事
経済の仕組み・カラクリを分かりやすく解説!クレジットって?債務って?勉強になる経済学!
参考記事
初心者でも分かる株式投資とは?税金やオススメの勉強方法などを徹底解説!
補足:イールドカーブとは?
イールドカーブ(Yield Curve)は、債券の金利と債券の償還期間との関係を表すグラフです。イールドカーブは、債券市場の金利水準や景気の先行指標として注目されており、投資家や経済アナリストにとって重要な情報源となっています。
一般的に、イールドカーブは水平または正の傾きを持つことが一般的です。つまり、長期の債券は短期の債券よりも高い金利をもつ傾向があります。これは、長期の債券にはより長い期間にわたるリスクがあり、それに対する報酬として高い金利が設定されるためです。
しかし、経済の状況や市場の期待によってイールドカーブは変動することがあります。通常、景気が拡大局面にあるときはイールドカーブは正の傾きを持ちます。つまり、長期の債券の金利が短期の債券の金利よりも高くなります。これは、将来の金利上昇やインフレーションの期待が高まるため、長期の債券への需要が高まるためです。
一方、景気後退や不安定な経済状況では、イールドカーブは逆の傾向を示すことがあります。つまり、短期の債券の金利が長期の債券の金利よりも高くなります。これは、将来の金利低下や景気の減速を予測する投資家が短期の債券を求めるためです。
イールドカーブが逆転する現象は「イールドカーブ逆転」と呼ばれ、景気後退や経済の先行きに懸念が広がる兆候とされています。イールドカーブ逆転は、長期の債券への需要が高まり、その結果、長期の債券の金利が低下することで起こります。これは、市場参加者が将来の金利の下落や経済の低迷を予測していることを意味し、景気後退や金融市場の不安定化の可能性が高まることを示唆しています。
イールドカーブは経済予測や金融政策の指標としても重要です。中央銀行や政府はイールドカーブの形状や動向を注視し、金融政策や経済政策の決定に活用します。また、投資家や金融機関もイールドカーブを参考にし、債券ポートフォリオの配分や金融商品の価格設定に影響を与える場合があります。
総括すると、イールドカーブは債券の金利と償還期間との関係を表したグラフであり、金融市場や経済の状況を分析する上で重要な指標です。イールドカーブの形状や動向は、景気の先行指標として注目され、金融政策や投資判断に影響を与えることがあります。