「鼻がずるずるする」
「咳がぜぇぜぇ息苦しい」
「目や皮膚が痒い!」
猫を飼い始めてからそんな症状が出ている方、いませんか?
それ、猫アレルギーかもしれません。
「お腹に顔をうずめたい」
「思いっきり撫でまわしたい」
「沢山遊んであげたい」
「甘えてきたら気のすむまで甘やかしたい」
簡単に叶えられそうなことでも、アレルギーを持つ人にとってはそう簡単ではありません。
猫をすでに飼っている、手放すしかない?
猫が好きなのにどうすればいい?
猫好きの方にとっては辛い悩みですよね。
猫アレルギーでも猫を飼いたい方、猫アレルギーと気付かずに飼い始めてしまった方、それでも猫と一緒に生活したい方のために
猫アレルギーでも飼いたい時は?症状や対策を薬や検査も含め、まとめてご紹介しています!
猫アレルギーかな?と感じたらすぐ検査!
猫や犬、動物を飼う前に自分自身や家族にアレルギーがないか事前に検査を行う方は少ないのではないでしょうか?
子供の時に家で飼っていない方は自分で飼うようになるまで気づかない方も多いのではないかと思います。
いざ飼ってみて自分の体の異変に気づいたとき、まずは病院でアレルギー検査を受けてみましょう。
猫ではなく、猫の毛に付着しているなにかだったり、実際の原因が猫でない場合もあるかもしれません。
スギやヒノキといったものから、ハウスダスト、食品、動物、または化学物質など、さまざまな種類のどれに反応しているのか、自分のため知る必要があります。
猫アレルギーとは?原因は?
猫アレルギーとは、毛、フケ、唾液、ホルモンなどを原因とするアレルギーです。
猫という大きなくくりの中でも、毛に反応が出る、舐められるとその部分が赤く痒くなる、など人それぞれ違う症状が出ます。
アレルギー検査をすると猫の何に反応するのか分かる為、注意すれば比較的症状が出るのを抑えられるかもしれません。
猫アレルギーの症状とは?
軽症例
- くしゃみ、鼻水、鼻のムズムズ
- 目の充血、かゆみ ・咳、喘鳴 ・皮膚の赤み、かゆみ
重症例
- 下痢
- 嚥下困難
- 呼吸困難
- めまい
- 吐き気、嘔吐
- 心拍数の増加
- アナフィラキシーショック
個人差があるため必ずしも重症化するわけではありませんが喘息を患っている方は特に注意が必要かもしれません。
また、何年も猫を飼っているが何も症状が出たことのない方でも突然アレルギーを発症することがあります。
アレルギーを軽く見ず、怪しいと思った軽度の段階で病院を受診しましょう。
猫のアレルゲン8種
猫アレルギーのアレルゲンは、「Fel d」という名前のタンパク質で、 Fel is d omesticus(=家猫) が語源です。
Fel d は、猫のフケや汗、唾液、涙、肛門腺分泌液などに含まれていて、現在分かっているもので8種類あります。
Fel d 1
「Fel d 1」は「セクレトグロビン」から構成されています。
猫アレルギー患者の90%以上が反応するとされるアレルゲンです。
フケや皮脂腺、唾液腺、涙腺、肛門腺から分泌されるタンパク質で、肛門腺からの分泌が高濃度であると知られています。
また、オス猫の方が分泌量が多いそう。
Fel d 2
「Fel d 2」は「アルブミン」から構成されています。
約2%のネコアレルギー患者はFel d 1よりもFel d 2に強く反応します。
Fel d 3
「Fel d 3」は「シスタチン」で構成されています。
Fel d 3はネコの皮膚組織由来のアレルゲンで、ネコアレルギー患者の抗Fel d 3 IgE抗体陽性率は60-90%。
Fel d 4
「Fel d 4」は「リポカリン」から構成されており、主として猫の唾液腺からのみ分泌されます。
このアレルゲンに反応を示す人は、ウマのもつ「Equ c 1」、マウスの持つ「MUP1」、ラットの持つ「Rat n 1」、
そしてイヌの持つ「Can f 2」というアレルゲンに対しても反応が出ると言われています。
Fel d 5
「Fel d 5」は「IgA」と呼ばれる免疫グロブリンの一種から構成されており、主として猫の唾液中に含まれています。
Fel d 6
「Fel d 6」は「IgM」と呼ばれる免疫グロブリンの一種から構成されています。
Fel d 7
「Fel d 7」は「Fel d 4」同様の「リポカリン」によって構成されています。
猫アレルギー患者のおよそ38%がアレルゲンとみなしており、唾液腺や舌から分泌されます。
犬のアレルゲンである「Can f 1」と構造が似ているため、「Fel d 7」に反応する人の多くは、犬のフケなどにも反応が出るそう。
Fel d 8
「Fel d 8」も「Fel d 7」と同様新しく発見されたアレルゲンで、「ラセリン」に似た物質から構成されています。
ウマの汗や唾液に含まれる「Equ c 5」というアレルゲンに構造が似ているため、「Fel d 8」に反応する人の中には、ウマに対してアレルギー反応が出る方もいるそう。
アレルギー検査
猫アレルギーの検査は、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科などで行っています。
検査費用は保険適用外のため、自己負担で1万円程度。
アレルギー症状が出たから検査を受けたいという方は保険適用になることが多く、5,000円前後の費用がかかります。
もしアレルギーの専門病院で検査をしてもらえるのであれば、その後の猫との生活のアドバイスや猫アレルギーに対する対処法など、さらに専門的な目で教えてもらえることが多いです。
血液検査
イムファストチェック(簡易的検査)
「イムファストチェック」は1~2才の赤ちゃんでもできる血液検査です。
指の先を少し刺して、少ない血液で簡易検査をします。
スギ、ネコ、ダニの3種のアレルギーの程度を調べることができます。
痛みもなく、早く結果が出るので安心です。
RAST(radioallergosorbent test)
特異的IgEはアレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)を特定するための検査です。
アレルゲンごと、それぞれに反応するIgE抗体の量を調べます。
IgE抗体価を「0~6」の7段階におおまかに分けたもので、クラスが高いほどアレルゲンである可能性が高く、重篤な症状を引き起こす危険性があります。
Viewアレルギー39(外注検査)
少しの採血量で、一度に39項目のアレルゲン〈アレルギー反応を引き起こす物質〉を調べられる検査です。
ハウスダストや花粉、食品表示義務7品目(卵・乳・小麦・そば・ピーナッツ・エビ・カニ)を含むアレルギー性疾患の主要な原因となるアレルゲンが調べられます。
検査結果は1週間程度。猫のフケに対する事前検査も可能です。
生体検査
生体検査とは、皮膚にアレルゲンを直接接触させることでアレルギー反応を見る検査法のことです。
結果が早く分かることと、検査費が比較的安いことが特徴です。
ただし一部治療を中断する必要があったり、一部できない方もいます。また、アナフィラキシーショックの危険性がゼロではないことがあります。
接触テスト
これは事前に猫に接触し、アレルギー反応が起こらないかを確認する方法です。
猫を飼う前であれば猫カフェなどで10回程度は接触し、様子を見るといいでしょう。
保険適用の有無やアレルギー検査の方法・取扱いなど、さらに細かい点については実際に受診する病院で相談してみて下さい。
猫アレルギーの治療法
猫アレルギーと判明した場合は猫を遠ざけることが一番です。
ただ、身近な生活の中でも猫は存在しています。
猫を飼っている友人や職場の同僚がアレルゲンを持ち込む場合もあり、アレルゲンに遭遇しないとは言い切れません。
病院を受診した際の主な治療としては抗ヒスタミン薬の処方になりますが、副作用はあまりなく、軽度であれば1日1回、眠くなりにくいものも出ています。
海外では猫アレルギーを持っている人用のワクチンを現在開発中のようなのでそれが日常的に使るようになれば楽になりますね。
また、人間ではなく猫にワクチンを接種することでアレルゲンの量自体を減らすという治療法が登場しているとか。
いつか動物病院でワクチンを打てる日がくるのでしょうか。
猫にも人間にも優しい薬が早く完成することを祈ります。
猫アレルギーの対策
アレルギーを引き起こさないためには、お掃除グッズや電化製品を駆使し、アレルゲンを身近からなるべく排除することが大切です!
部屋を清潔に保つ
フケや毛は毎日舞い上がり、猫の生活範囲に広がっています。
敷物やカーテン、ぬいぐるみなどアレルゲンが多く潜んでいそうなものは小まめに洗濯をしたり、日々コロコロなどするといいでしょう。
出来るのであれば敷物やカーテンを無くし、ブラインドにしたりフローリングにいた上で拭き取りシートなどでよく掃除をすると効果的かもしれません。
また、掃除機や空気清浄機を利用し、清潔な空気を保てるようにしましょう。
寝室に入れさせない
寝室にアレルゲンが多く存在している場合、寝てる間に多くのアレルゲンを吸い込み症状を悪化させるか、寝つけず辛い思いをします。
猫との生活スペースを明確にし、安静になれる空間を必ず用意しておくのも大切です。
猫を綺麗にする
猫はもともと綺麗好きですが、それでも毛についたホコリやカビなどは落ちません。
週1,2回お風呂に入れ、シャンプーなどでフケやホコリを綺麗に落としてあげましょう。
猫の抜け毛を減らす
小まめにブラッシングをして事前に毛を取っておくと舞う毛の量を減らすことが出来きます。
自分も洗う
猫を触った手で顔や体を触らない事がもっとも重要です。
猫を触った後は必ず手洗いを行いましょう。
猫の体質改善を目指す。
猫のホルモンが原因の場合は、脂分の多い食事を減らしタンパク質を増やすなど体質改善をすることで症状が抑えられる場合があります。
フードを変えてみるのもいいかもしれませんが猫にストレスがかかると猫が病気になる場合もあるため猫の体調などを考慮し、無理はさせないようにいてあげて下さい。
相性を探る
猫は1匹1匹性格が異なるように、体質も異なります。
猫を飼う前なのであれば、自分と相性の合う猫を探してみるのもいいかもしれません。
考えたくはありませんが自分が猫アレルギーになってしまったからと言って、安易に飼育放棄する人間も世の中には存在します。
人によっては重症な状態になっていまうアレルギーとどう向き合っていくか、個々の体質に合わせて猫と幸せな生活が送れるよう、この記事が少しでも手助けになればいいなと思います。
猫アレルギーでも飼いたい時は?症状や対策を薬や検査も含めて|まとめ
猫アレルギーでも飼いたい!という方に向けて、症状や対策をご紹介していきましたがいかがでしょうか?
もちろん既に猫を飼ってしまっている方もいるかとは思いますので、ぜひ本記事を参考に猫アレルギーとうまく向き合って頂ければと思います...!
あまりにも症状が重い場合は、無理をしない方向で考えることも大切ですので、症状の度合いをしっかり把握しておきましょう!
猫ほんとかわいいから飼いたくなっちゃう気持ちはわかるよなぁ...
参考記事
猫の仕草の意味とは?しっぽに隠された秘密を含め徹底解説します