バーや喫茶店などで流れるジャズの名曲が気になったことはありませんか?
本記事では、初心者にもオススメできるジャズの名曲・名盤をご紹介していきたいと思います。
「あ、これ聴いたことある!」という有名な曲から
「初めて聴いたけどとても良い曲!」というマイナーなものまで幅広くご紹介します。
そもそもジャズとは?ジャズの歴史って?も含めて解説しますので、ぜひジャズの奥深さを知った上で名曲・名盤を聴いてみてください!
ジャズって聴いててほんと心地いいよね...
喫茶店とか行ったらとにかく流れてるイメージあるな...!
目次
そもそもジャズとは?
ひとくちにジャズと言ってもそのありよう、姿かたちはさまざまです。
歴史を見ると、19世紀の終わりから20世紀のあたまにかけて、ニューオリンズなどのアメリカの南部を舞台に、そこに暮らす黒人音楽が発祥になったと言われています。
奴隷貿易でアメリカに送り出されたアフリカ人の音楽と、その人たちを雇用するヨーロッパから渡った様々な人種(白人)の西洋音楽とが、長い月日を経て融合していった経過があります。
時代と演奏者によってさまざまな形に変化し、現在のような多様性を持つようになりました。
今となってはアジア人である私たち日本人にも、当時の背景を感じさせないほど、親しみのある心地のよい音楽に変化しています。
ジャズを音楽的に定義することは非常に難しいですが、大きな(重要な)特徴としては、「アドリブ」「インプロヴィゼーション」と呼ばれる「即興演奏」や、
独特の「スゥイング感」が挙げられます。
今や「ジャズにアレンジされた音楽」は身の回りにあふれていて、「ジャズを聴く」時の「ジャズ」は幅広くとらえることができそうです。
当たり前のことですが、人が一人ひとり違う顔を持っているように、音楽の好みや聴き方はその人の生まれ育った環境が違うわけで、心地良いと感じる音楽はそれぞれです。
そのことを前提として、ここでは私個人が感じる、
「ジャズの名曲・名盤」
「ジャズの世界に入りやすいかな?」
と思う曲を7選ご紹介させていただきます!
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初心者にもオススメできるジャズの名曲・名盤7選!
BLOWIN' THE BLUES AWAY / Horace Silver(ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ / ホレス・シルヴァー)
時代は1959年の演奏。
トランペット、テナー・サックス、ピアノ、ベース、ドラムスが奏でる、ひとことで言うと「かっこいい!」アルバムです。
ですが、捉え方次第では「暑苦しい」かもしれません。
演奏者が力を引き出し合っているバランスの良さに思わず手を打ちたくなり、ジャズメンたちの見後な演奏に引き込まれます。
熱気でむせ返るような演奏から、穏やかなムードのバラードのバランスも見事。
7曲すべてがホレスのオリジナルで、彼の優れた才能を示すバランスがとれた素晴らしい1枚です。
このライナー・ノーツに書かれた最後の表現が印象的です。
「このアルバムを聴いても憂鬱が吹き飛ばなかったという方は、そもそも憂鬱など抱えていなかったに違いない」。
AVANTI!(アバンティ/ジョバンニ・ミラバッシ)
イタリア生まれのジョバンニ・ミラバッシのピアノ・ソロです。
「アバンティ」にはさまざまな意味があるようですが、この「AVANTI!」は彼の背景にある、政治や民族問題など深い意味を含んでいます。
当初無知な私はそんな事情はいざ知らず、偶然手に取ったこの1枚に驚くほど感銘を受けました。
そしてその背景を知った上で聴いたときには、美しいメロディと哀愁漂うこの演奏の奥にある深さを少し味わうことができたように思いました。
1番の美しいメロディが流れ始めると、すぐに心を奪われてしまう方は少なくないと思います。
深夜一人で音楽に身を沈めたいときには特にオススメです。
「3,2&1」小沼ようすけ
とっても「Jazzyなギター・アルバム」です。
ギタリストの小沼さんが、メインに演奏する鉄弦(エレキ・ギター)のみならずアコースティック・ギターを多く使って、様々なジャンルのアーティストと、まさに「歌の会話」が繰り広げられています。
中でも「02.Siver and Orange」(小沼さんオリジナル)は、ジャズ・ピアニスト、小曽根真さんとのデュオ。
この曲は、「男女の会話的なものを例えたもの」だそうですが、ささやきあったり、夢中で会話をしたり、親密な関係の中で行われるやりとりが想像が出来て、心が温かくなります。
その他のアーティストの方との絡みも見事です。
SPAIN(スペイン/MICHEL CAMILO&TOMATITO)
ピアノのミッシェル・カミロと、フラメンコ・ギターのトメティートのデュオアルバムです。
1997年のスペインで開かれたジャズ・フェスティバルから始まったこの2人のコラボレーションは、ピアノとギターで聴くにふさわしいレパートリーを探索し続け、「SPAIN AGAIN」「SPAIN FOREVER」の3部作で完成します。
この1枚目の1曲目は衝撃的。
ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」がムードたっぷりに始まり耳を奪われていると、チック・コリアの名曲<スペイン>に、情熱的な演奏で流れ込んでいきます。
1972年に、ピアニストのチック・コリアによって作られたこの楽曲は、ロック、JAZZ、フュージョン、クラシックのジャンルを超え、世界中のあらゆるミュージシャンにカバーされていますが、このアレンジは必聴。
たまたま食事に行ったお店でこの曲が流れてきたら、一緒に過ごしている人とも会話を静かに止めて、曲に聴き入ってしまうかもしれません。
その他の曲も、自由な演奏の中に2人の探索心の深さを感じ、何度聴いても新鮮さを失いません。
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HAMPTON HAWES Vol1:The Trio(ハンプトン・ホーズ/ザ・トリオ Vol.1)
ハンプトン・ホーズは戦後、駐留流軍人として日本に在留していたピアニストだそうです。
その時代、日本でもジャズの文化が芽生え始めた頃、ハンプトン・ホーズは日本人にとって数少ない本場のジャズを聴かせてくれる貴重な存在で日本のミュージシャンにも大きな影響を与えたと言われています。
このアルバムは、ホーズがアメリカに帰還し(麻薬使用による)刑を終えた1955年。
ベース、ドラムスとの充実したトリオを組み完成した、輝かしい第1作です。
彼のピアノは生き生きとした躍動感とダイナミズムが溢れ、独自の美学が光る演奏で、ピアノ・トリオの名盤としてオススメです。
Moon Dance(Ann Sally)
シンガーソングライターのアン・サリーさんが、シャンソンから歌謡曲、さまざまな曲をカバーしているアルバムです。
アンさんの声の透明感は抜群ですが、それだけではない力の強弱も絶妙です。
歌う活動もジャズだけに留まらず、本場アメリカでの(医学研究のための)留学経験もあり、魅力的な歌唱力です。
初期の女性ジャズシンガーを代表するような、エラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンなどとの比較は必要ないですが、そのような前人の音楽を学び続けたからこそ、現代に受け入れやすい表現力を持つシンガーとして、多くの方の共感を得るのではないでしょうか。
とにかく歌声に癒され、力強さに共感します。
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ザ・ケルンコンサート(KEITH JARRETT)
1975年1月24日、ケルンのオペラハウスで奇跡的とも呼べる美しい音楽が生まれました。
ジャズファンなら多くの人が知るこのコンサートは、ソロピアノコンサートの最初から最後までを、その場の思いついたアドリブを披露するという大胆な試みでした。
Part1~4のすべての完成度が高く、特にPart1は最初の数十秒で引き込まれます。
このオペラハウスでの録音だからこそ出る、近すぎない聴衆の笑い声や途中でドアが開いた音など、その場を想像させる微かな音も拾いできあがり、完成しています。
屋根の高さは?聴衆の雰囲気は?どんどん音楽に入っていくキースの姿は?美しい音楽が進むとともに、自分もそこにいて、その場の全てに入り込んでいる、そんな夢も見させてくれる1枚です。
初心者にもオススメのジャズの名曲・名盤|まとめ
今やジャズの多様性は幅広く、すぐに様々な音楽が手に入る現代では垣根は高いものではないかもしれません。
だからこそ、ジャズのルーツが何で、どのようなミュージシャンがどう演奏してきたか含んで聴くことで、より音楽の味わい方が深くなるのではないでしょうか。
また、ほかのジャンルに比べても特に、ジャズは目の前で即興演奏を味わうことで、音楽との距離が変わりやすいように思います。
ボタンを一つ押せば新しい音楽が手に入るようになってから久しいですが、生のジャズを聴きに町に出るのもいいかもしれませんね!
今回紹介した名曲を聴いてそういう気持ちになったり、例えばサックスを今から練習してジャズを演奏するぞ!みたいな気持ちになって頂けたらうれしいです。
また、ジャズがテーマのひとつにもなっているラ・ラ・ランドもジャズの名曲はもちろん映画の内容も素晴らしいので、ぜひ観たことない人は観てみて下さい!
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