「ケンガンオメガ
」
という漫画をご存知でしょうか？
環境の整った清潔な学園と荒廃した未来の日本、二つの世界を行き来する。
石黒正数ワールド全開のSFアドベンチャーとして有名な本作。
本記事では、そんな天国大魔境のあらすじや面白い点、見どころをネタバレ込みで解説していきます。
ネタバレを観たくない...！という方は該当箇所を飛ばして読んでいただけたらと思います！
目次
「ケンガンオメガ」のあらすじ・ストーリー
その日、日本空手界で最も有名な拳王会主催の大会において、前代未聞の事件が起きてしまいます。
前年度大会王者である選手が、入門したての白帯選手に手も足も出ず、一歩も相手と組めないままに押されてしまい、試合は白帯選手の独壇場へとなっていました。
本来ならあり得ない一方的な試合となり、観客席にどよめきが走り、大会関係者達は焦りを隠せません。
そして試合は最終的な決着を迎えてしまいます。
前年度大会王者の左足に蹴りが叩き込まれ、重く衝撃のある一撃に態勢を崩してしまいます。
その次の挙動の遅れた一瞬の隙を突いて、こめかみに致命的な一撃を喰らわされてしまい、王者はそのまま昏倒してしまいます。
しかし頭部への打撃は反則でした。
審判が咎める前に白帯選手による王者への追撃は止まず、戦意喪失した相手を徹底的に追い詰めるそれは、もはや殺し合いでした。
すぐに試合を中止し、白帯選手を総掛かりで止める大会関係者達。
そんな慌てふためく会場の中で、ぼそりと白帯選手は吐き捨てます。
何が総合空手だ、と。
頭部に打撃を与えてはいけない。
寝技は時間制限が設けられ、オープンフィンガーグローブの着用必須。
空手技の基本となる抜き手などの指技禁止。
そんな厳正なるルールを小馬鹿にし、何が空手道だと見下し小馬鹿にする白帯選手。
激高する館長の言葉に、白帯選手である成島光我は、笑顔であんたの空手はクソだと、そう言い切ってしまいます。
殺気立つ会場に光我は、不敵な笑みを崩す事はありませんでした。
そんな事件の後。
光我は親友の浅利孝介と、とある居酒屋で何気なくに過ごしていました。
孝介はまた道場をクビになったと呆れ、もう4回目の破門となる光我の無茶ぶりに呆れてしまいます。
そんなに強ければプロの格闘家になれば良いと言うも、光我の目的は違うところにありました。
存分に力を出し切り、力と力で生き抜く殺し合いを制する強さが欲しいと願う光我。
そんな光我にダークウェブのアングラサイトの情報を教え、裏世界の格闘大会を検索していくと、拳願仕合と記されたサイトへと辿り着きます。
有名企業主催による利権を賭けた裏仕合と、信ぴょう性の無いフェイクサイトだと孝介は言うも、光我はそのサイトにある男の写真を見つけます。
それはかつて自分を倒した一人の男。
裏格闘技界で伝説となった十鬼蛇王馬でした。
拳願仕合の存在を知り、因縁の相手である十鬼蛇王馬に闘志を燃やす光我。
新たなる仕合が始まろうとしていました。
ケンガンオメガの面白いところ・見どころ！
ケンガンオメガの主人公──成島光我（なるしま・こうが）
「ケンガンアシュラ」にて行われた拳願絶命トーナメント終了から2年。
新しき強さを求める男達の世界を舞台にした「ケンガンオメガ」の新たなる主人公である成島光我について紹介をしていきたいと思います。
まず彼は、身長181センチメートルに体重は80キロと、非常に大柄な体型を有しており、年齢は20歳と、若き格闘技者として粗削りながらも完成された身体を持っています。
空手や総合格闘技の長所を独自に取り入れ、本能的に戦うスタイルを持つ格闘者。
一見すれば喧嘩好きな悪党に見えてしまうも、身内など親しい人間には優しく、義理堅い一面もあり、古いタイプのヤンキー気質とも言える性格の持ち主。
極悪人ではないのですが、一度自身の敵と認識した相手には全く容赦はなく、敵意と殺意を剥き出しに戦うと、戦闘狂の様な一面があります。
しかし義理堅い性格をしており、少し軟派な装いもあり、趣味はヴィンテージの古着集めと、見かけによらず若者らしい趣味も持っています。
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しかしあまり頭はよくなく、現に小学校は4年生までしか通っていないと、勉強が大の苦手でもあり、地理などは疎く、勉強しても一日で忘れてしまうと、まずは考えるよりも本能で生きる事を優先する、野生児の様な行動派です。
彼は言うなれば強さを求める主人公であり、戦う事への原動力は、かつて何もできなかった無力だった自分への失望から始まっています。
言うなれば幼き頃の王馬と同じ原動力を原点とするも、その中には自分の前に立ち塞がる相手を蹂躙する圧倒的な暴力の憧れを抱いており、不幸な幼少期に父親や母親の愛情が無く、親代わりの祖父に空手を教え込まれ、辛い時代を生きていた彼。
その姿はもう一人の王馬でもあり、彼自身もまた自分より強い奴がいることを許せない性質を持ち、戦う事で自己と自身を表現する、もう一人の王馬でもあるのです。
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前作の主人公でもある十鬼蛇王馬（ときた・おうま）から目が離せない？！
十鬼蛇王馬（ときた・おうま）は前作のケンガンアシュラの主人公であり、通称は阿修羅と呼ばれた元・乃木グループ所属の闘技者です。
現在は山下商事に所属する闘技者であり、身長は182センチメートルと、体重は85キログラムをキープし、パワーとスピードをバランス良く持ち合わせ、トータル的なファイターとして活躍します。
その容姿を例えるならば古代ギリシャ像の様な体躯を持ち、優れた観察眼を持つ山下一夫ですらも、最高レベルの肉体と検証されるほど、その身体能力は未知数。
性格は己の強さを疑わない傲岸不遜と思われるも、それは自身よりも強い存在を看破できず、自分こそが最強と信じて疑わない自信から来るものであり、彼の精神を作ったのはかつての師である二虎の存在から来るものです。
王馬の生まれは謎に包まれていますが、彼は物心つく前から十鬼蛇区と呼ばれる日本最大の無法地帯に産み捨てられた過去があり、そこで二虎に拾われた事から、彼の人生は始まります。
父親として師として二虎から武術を教えられ、奥義を含めた二虎の技の全てを習得するも、自身の目標であった二虎は、とある仕合の果てに殺されてしまいます。
人生の目標である二虎を越える為に、１０年間の歳月をかけて鍛錬を重ね、拳願絶命トーナメントに出場を果たす王馬。
二虎を殺害した宿敵を倒す為に勝ち進むも、トーナメント準優勝後に忽然と姿を消してしまいます。
後に伝説の闘技者として語られるも死亡説が流布されてしまい、その存在はあやふやなものとなっていましたが、2年の歳月の中で再び裏格闘社会に姿を現し、山下商事の選手として次世代の闘技者である光我と対峙する事となります。
かつては辛酸を舐めさせられ、敗北を認めない光我との再会は、新たなる波乱を呼びそうです。
山下一夫（やました・かずお）
ケンガンオメガの魅力について語りたいと思います。
本作はケンガンアシュラの続編となっており、主人公の王馬から新しき主人公の光我へと変わり、新たなる世代の活躍が描かれた内容で本編は進んでいきます。
拳と力で掴み取ると、格闘漫画ではもはやお約束と言われてしまう内容でもありますが、愚直なまでに戦う事に直向きに生き、戦う事で自分を証明する！
どんな時代でも変わらない単純明快な闘争本能を沸かせ、己の強さを証明する不器用な生き様が描かれた非常に熱い内容こそが、ケンガンオメガの魅力でもあります。
格闘漫画の醍醐味である、愚直さが込められ、不器用なまでに熱く生き、そして血反吐を吐き、泥や汗に塗れながら、勝利し敗北し、己を証明していく！
その真っすぐ過ぎるドラマ性が活かされた内容は、もはや古いと言う人もいますが、変わらない生き方を演出するが故に栄える演出は、往年の格闘漫画ファンを魅了し、またそれに重なる様に新たな世代を魅せてくれる作品としても魅力があります。
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「ケンガンオメガ」ネタバレ感想！｜まとめ
格闘漫画は沢山に世に出回っていますが、衝撃的な内容でまとめられているケンガンオメガは、熱血漫画でもあり、また青春漫画でもあり、そしてギャグ漫画でもあると、実にバランスの取れた作品とも言えます。
ジャンルの破綻を招くことなく、展開と演出をバランスよく組み合わせ、物語を面白く演出し、そして格闘漫画ならでは迫力と構成は、実に魅力的な演出として仕上がり、ありふれた格闘漫画では無い、独特の面白さが込められた作品とも言えます。
この作品であえて一言で言うなら、愚直さまでに強さを求める男の本能ではなく、漢の本性がテーマとなっていると言いたいです。
自分こそが強いと、強さを渇望し、相手を叩きのめしていく！
暴力は野蛮だと言われるも、強い相手と死力を尽くした戦い、闘争の果てに勝利を掴む、その物語の内容は、確かに野蛮ではあるも、漢ならばと、本能的に感じてしまう強さへの渇望が、この漫画には込められています。
その渇望に駆られ、乾いた男達の生き様が不器用ながらに描かれているケンガンオメガ。
今後も新し世代を繋いでいく漫画であってほしいです！
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