お店やイベント会場などあらゆる場所で流れるクラシック音楽。
最近では、ピアノの森でクラシックにハマった人もいるかと思います。
ただ、クラシック音楽となると
「あれ、なんか聴いたことあるな...でも曲名は知らない...」
とか
「あのピアノ曲が好き!あの...えーっと...」
みたいに、聴けば「あー!」となるけど曲名がイマイチピンと来ないこともあるかと思います。
また、改めてクラシック音楽のピアノ名曲を知りたいという方もいるかと思います。
本記事ではそんな方に向け、ピアノを10年以上習っていた筆者が、
「名曲クラシック音楽のオススメまとめ!有名どころのピアノ曲を徹底紹介」していきたいと思います!
目次
バロック音楽・古典派音楽・ロマン派音楽
クラシック音楽は一般的には、1550年頃から1900年頃の曲のことを指しております。
この時代には、
- バロック音楽
- 古典派音楽
- ロマン派音楽
といった音楽様式が存在しております。
細かい説明に関してはこちらで解説しております!
クラシック音楽の歴史とは?バロック・古典派・ロマン派音楽をまとめました
クラシックカフェやイベントなどでクラシック音楽を聴いていたりすると、 「クラシック音楽っていつからあったんだろう?」 とか 「クラシック音楽の歴史を知ってみたい!」 など思うことあったりしますよね。 ...
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上記の記事を見て頂いても分かるとは思いますが、「バロック」「古典派」「ロマン派」それぞれの音楽は、当時の王政といった国家様式から如実に影響を受けている部分が大きいとも言えます。
まるで絵画や彫刻のように音楽の中に対比があり、劇的な感情表現をする絶対王政時代のバロック音楽から、
合理性を重視し、宮廷・教会を主とした職人技のような古典派音楽へと移り変わる。
そして、市民が音楽を楽しむようになり、合理性ではなく個性を重んじたロマン派音楽へと変化を遂げていったという一連の流れがあります。
それぞれ音楽の表現法・重視している箇所が異なるので、当然ながら曲調も全く異なるものになってきます。
今回はそれを踏まえた上で、
- バロック音楽
- 古典派音楽
- ロマン派音楽
別で、有名どころのオススメピアノ曲をご紹介して行きたいと思います!
単純に「良い曲だなぁ...」だけでなく、
「こういう時代だったからこういう表現がされているのかな。」
みたいな新しい気付きも同時に得ることができたら面白いかと思います!
バロック音楽のオススメピアノ曲
カノン「パッヘルベル」
言わずと知れた名曲中の名曲「パッヘルベルのカノン」。
厳密には、「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」の第1曲となります。
ドイツの作曲家である「ヨハン・パッヘルベル」がバロック時代中頃に作曲した当曲。
現代では、結婚式や卒業式などで用いられることも多いこの曲です。
クラシックを始めたばかりの初心者にとってもオススメの曲で、実際に引けると「おお!」と周りから言われやすいのも特徴です。
この曲はサビとかうるっとしちゃうよね...
楽譜はこちら!
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「G線上のアリア」バッハ
こちらも知っている方は多いのでは無いでしょうか?
ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲した、「G線上のアリア」。
厳密には、「管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068」の第2曲である「アリア(エール)」を、ヴァイオリニストのアウグスト・ウィルヘルミがピアノ伴奏付きのヴァイオリン独奏のために編曲した曲となります。
この曲名を聞くたびに、なんで「G線上?」と思ったことはありませんか?
ずっと気になってた...!
ヴァイオリンが4本の弦でできていることはみなさんもご存知かと思いますが、実はその4本の弦は
- E線
- A線
- D線
- G線
と呼ばれる4線で構築されております。
「G線上のアリア」は、この「G線」1本のみで演奏ができてしまうためそう名付けられているのです!
ええ!あの曲1本だけで演奏できる!?
もし不意にG線以外の弦が切れてもこの曲が演奏できるわね...
そこ!?
1本だけだから単調な曲なのかな?と思いきや全くそうではなく、優雅でありつつもしっかりと語りかけてくる曲で、気付いたらうっとりしてしまうこともしばしば。
40代を目前としたバッハが作曲し、死後100年ほど経過したときに改めて価値が認められた当曲。
ぜひ、ゆったり聴いてみてください!
楽譜はこちら!
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「主よ、人の望みの喜びよ」バッハ
同じくヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲した、
「主よ、人の望みの喜びよ」。
こちらの曲は、バッハが1723年に「心と口と行いと生活で」という主の母「マリア」の訪問の祝日のために作曲した曲10曲の中の1曲(第10曲目)となります。
まるで早朝の朝日の光が差し込んで癒してくれるかのような美しい曲。
楽譜はこちら!
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J.S.バッハ: 主よ、人の望みの喜びよ(マイラ・ヘスによるピアノ編)
リセマラが気になる方はこちらも!
古典派音楽のオススメピアノ曲
「モーツァルト ピアノソナタ K. 545」モーツァルト
「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」が1788年6月26日に作曲したとされる「ピアノソナタK.545」。
「初心者のための小さなソナタ(小クラヴィーア・ソナタ)」とも題されているこちらの曲は、ピアノを習い始めた頃にほぼ必ず通る道でもあったりします。
シンプルな旋律で主要主題が展開されるこの曲は、その軽快感のあるパッセージで聴くものをスキップしたくなるような気持ちにさせてくれます。
聴くのも良し、演奏の練習としても良しな「モーツァルト ピアノソナタ K.545」。
これからピアノを始めるみたいな方には特にオススメの一曲です。
街中でよく聴く音楽でもあるよね♪
楽譜はこちら!
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モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第15番 ハ長調 K.545 ~第1楽章
「ピアノソナタ第14番 月光第三楽章」ベートーヴェン
1801年にルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲したピアノソナタ
「ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2 【幻想曲風ソナタ】」。
月光ソナタとも表現されるこの曲は、かの有名な「名探偵コナン」でも「ピアノソナタ「月光」殺人事件」という取り上げられ方をしたり、
フィギュアスケートの宇野昌磨選手が演技曲として使用したりと知名度は非常に高いと言えます。
もともとこの曲は、「月光」と関連の無い曲でしたが、ベートーヴェンの死後5年の1832年に詩人であるルートヴィヒ・レルシュタープが
「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」
と表現したところから「月光」の名が付きました。
「ピアノソナタ月光」は、第三楽章までありますが、私個人の意見としては第三楽章の急速に上昇していくアルペッジョの雰囲気がとても好きで最もお気に入りです。
もちろん第一楽章も有名なので、こちらもぜひ聴いてみてください!
楽譜はこちら!
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「ピアノソナタ第17番 テンペスト第三楽章」ベートーヴェン
同じくベートーヴェンのピアノソナタである「ピアノソナタ第17番 テンペスト」。
この曲の解釈に関して、ベートーヴェンが「シェイクスピアの【テンペスト】を読め」と発言したことから「テンペスト」という名が付いたとされております。
今回オススメした第三楽章は、休むことなく熱情的に動き回るソナタ形式となっており、筆者が特に好きな箇所は
ここです。笑
(急に言われても弾いたことがある人にしか分からないかもですが...)
とにかくかっこいい曲なので、ぜひ聴いて見てください!
楽譜はこちら!
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リセマラが気になる方はこちらも!
ロマン派音楽のオススメピアノ曲
「バラード第1番ト短調 作品23」ショパン
フレデリック・ショパンが作曲した初期バラード曲の代表でもある
「バラード第1番ト短調 作品23(Ballade No. 1 Op. 23)」。
「フィギュアスケートの羽生結弦選手の演技」や「四月は君の嘘」を観られていた方はピンと来るかもしれません。
1831〜1835年に作曲されたこの曲は、シューマンが「ショパンの曲の中で最も好きだ」と言わせるほどの名曲中の名曲。
「最高の霊感にみちた作品」とも言われることがある、奥深くミステリアスな印象も多いこの曲。
主調であるト短調に置かれつつ、憂いを含んだ表情を湛えるこのバラード曲を、ぜひ堪能してみてください!
「四月は君の嘘」でこの曲が弾かれたシーンはほんと泣かずにはいられなかったんだよな...
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「ラ・カンパネラ」フランツ・リスト
ニコロ・パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章のロンド「ラ・カンパネラ」の主題を編曲して書かれたこの曲。
作者であるフランツ・リストが、ニコロ・パガニーニの天才的なヴァイオリンの演奏を聴き、「ピアノのパガニーニになる!」と決意した上で作り上げた曲であると言われております。
「ラ・カンパネラ」自体は4曲存在しておりますが、最も演奏されるのは
「【パガニーニによる大練習曲】第3番 嬰ト短調」
と称された曲となります。
「カンパネラ(Campanella)」は「鐘」という意味を持っており、出だしのレ♯の音は「鐘の音」を表しているとされております。
非常に音色が美しい曲ですが、難易度も非常に高い超絶技巧を必要とする曲で、技巧派のピアニストにとっては試練となる曲でもあります。
難しい曲に挑戦してみたい!という人はぜひ練習してみてください!
ほんと綺麗な音色だよね...!
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「幻想即興曲」ショパン
同じくフレデリック・ショパンが作曲した、
「幻想即興曲(即興曲第4番 嬰ハ短調 遺作 作品66)」。
実はショパン生前の頃にこの作品は完成されておらず、ショパン死後に友人のユリアン・フォンタナの手によって完成しました。
実際には、ショパン自身は死後この曲の楽譜を燃やして欲しいと頼んだみたいなのですが、ユリアン・フォンタナが意に背いて発表したというのが経緯となります。
こんな素敵な曲なのになんでショパンはそう思ったんだろう...
一説によると、「ピアノソナタ月光・第三楽章」との類似性を本人が気にしていたみたいなのもあるらしいんだけど、真相は闇の中だわ...
フィギュアスケートでは浅田真央選手や荒川静香選手などが使用したことでも有名な当曲ですが、「幻想即興曲」という名前通り美しく幻想的な曲調となっております。
楽譜はこちら!
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【クラシック】ショパンの人気で有名なピアノ名曲7選!
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まとめ
名曲クラシック音楽のおすすめまとめ!有名どころのピアノ曲をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
「バロック」「古典派」「ロマン派」と実際に聴いてみると確かに曲調が異なるなぁと思ったりするかと思います。
自分の好きな曲調(音楽様式)を考えた上で音楽を聴いたりするのも面白いかと思います!
クラシック音楽に興味を持ってコンサートに行ったり、クラシックカフェ(音楽番組)を観たりするのも良いですね!
一気にクラシック音楽に興味出てきた...
今まではショパンとかリストみたいに有名な名前しか知らなかったけど、ちゃんと背景まで学ぶとまた全然違って曲が聴こえて来るのは面白いわ...
クラシックの名曲を弾きたい!という方へ
ここまで有名どころのクラシック名曲をご紹介しましたが、実際に聴いていると弾きたくなってくるものですよね!笑
私自身ピアノを10年以上習っているのですが、初めてあのショパンの曲が弾けるようになった時は正直感動的でした。(ちなみに最初に弾けるようになった曲は幻想即興曲)
最後にはなりますが、ピアノ名曲が実際に弾けるようになるオススメの教材がありますのでご紹介したいと思います!
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