株式投資をしている人たちで、この名前を聞いたことのない人はいないのではないでしょうか。
日本国内の投資家でも伝説のトレーダーのひとりとなっているcis氏。
当時2chで挑発的な言動で有名だった彼ですが、その発言を辿っていくととんでもない成績を上げていることに周りがだんだん気付いていき、カリスマ的存在となります。
本記事では、そんなcis氏の初単著となる「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」の重要点をご紹介していきたいと思います。
目次
【cisとは】
元手300万円を230億(現在)まで稼いだ伝説的なトレーダーで、尊敬している個人投資家は数知れずかと思います。
cisさんのエピソードと言えば、
法政大学工学部4年生だった2000年に300万円の元手で株式投資を始める。
トレードスタイルは、デイトレードやスイングトレードと呼ばれる短期取引手法。
一時は資産を104万円まで減らしたが、投資手法を長期から短期のトレードに変えたことをきっかけに資産を大きく伸ばした。
電子掲示板で「挑発的な発言」を行うことで、日本のデイトレーダーに知られるようになる。
2005年にジェイコム株大量誤発注事件で、ジェイコム株をストップ安で3300株購入し10分後に売却、約6億円の利益を得る。
2013年には約1兆7000億円の日本株を売買をしており、これはこの年の東京証券取引所での個人投資家による株式取引の0.5%に相当する。
出典:Wikipedia
というもはや規模が凄すぎて想像すら付かないようなものばかりです。
ここから早速、「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」の解説をしていきたいと思います!
【一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学】
本人的には、本を書くことは面倒としており印税にも興味が無いそうですが、10年以上の付き合いがある麻雀ライターの福地誠さんから口説かれたことを機に本を出版することになったそうです。
多くの個人投資家からすると、cisさんの投資に対する考え方や、そもそもcisさんという人物に対して興味があるので、今回の出版は本当に嬉しいものになったと思います(私にとっても。笑)
本の中身は、具体的な手法というよりかはcisさんの思考回路や生い立ち等が主に書かれております。
個人的にはこの思考回路という部分は非常に重要だと考えており、具体的な手法というのは相場環境やあらゆる環境変更(過去ではアローヘッド導入とかアルゴリズム取引の登場とか)で陳腐化してしまうものなので、勝つ思考回路を兼ね備えていれば、どのような環境においても自ら臨機応変に対応できるようになると思うからです。
cisさんは、300万から230億と書きましたが、もっと細かく書くと、一時期104万円までの負けを経験した上で230億まで持って行っているので、今では天才と言われているcisさんにもある程度の期間負け続けている時期もあったことになります。
負けているときは割安株長期投資をしていたみたいですが、uoaさんやびびりおんさん、すくるーじさんといった凄腕投資家が集まったオフ会に顔を出すことで、短期的な値動きこそ重要ということに気付き、買われる理由のある銘柄の値動きを重視したトレードをすることで爆発的に開花します。
【上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる】
本著に出てくる名言でもありますが、それはもちろんそうだろうと思う投資家がいるかとも思われる一言です。
もちろんそうかもしれませんが、じゃあ現実に投資をしてみてそう確信した上の取引を行えてますか?というところに真意があると思います。
1000円の株を買ったとして、1200円になりました。
多くの人は利益もあるし、利確したい想いに駆られるはずです。
その後また1000円に戻ったら投資前とのプラマイは0ですが、損した気持ちになる人がほとんどだと思います。
そうなると、何としてもひとまず利益として確定したいという想いが先行して利確に走る人が多数になってしまうと思います。
論より証拠な部分はありまして、例えば松井証券が毎日発表している信用評価益データでは、ほとんどの場合においてマイナスになっております。(直近の下落環境においては常に-20%以上をキープしているような状態。)
どれだけの上昇相場でも0%ないしは良くて+数%程度と考えると、ほとんどの投資家は評価益がマイナスのポジションを持ち続けていることになります。
もちろん買ったポジションが全てマイナスになることなど稀ですから、プラスになった銘柄を早めに利確してしまい、マイナスになっている銘柄は損切りせず放置している、という状況になっていることが見て取れます。
ほとんどの人が早めに利確し、遅めに損切りしているのです。(ないしは塩漬け)
冒頭に戻りますが、上がり続ける株は上がるのであれば、上がっている途中に売るのは愚の骨頂ということになります。
cisさんは、上がっているものは放置して、下がってきた時に売る。逆にマイナスになるようなものは秒速損切りというくらい早めに撤退します。
ほとんどの投資家の逆を行っていることになります。
トレンドフォローすることが重要とcisさんも仰っている通り、上がっているものはずっと付いていくことが大切ということなんですね。
ちなみに余談ではありますが、cisさんの戦友でもある10億超えトレーダーますぷろさんという方も下記のような言葉を残しています。
「上げ相場では、気持ちを抑えるのが難しいのです。上がれば上がるほど、下げると思って買えない人が多いですから。でも、下げる直前ほど上げ幅は大きくなります。上がり始めてから買えるか、そして下げ始めるまで持てるか。大相場を取るには、それができるかどうかです。」
リセマラが気になる方はこちらも!
【真のランダムはイメージより残酷】
上がり続けている株を持ち続けることが大切で、確かに色んなチャートを見ていると上がり続けているものはたくさんあるので、「なるほど、こういう感じで乗って行けばいいんだな!」と思って、似たような初動を見つけた銘柄にINした場合、じゃあこれも想定通り上昇し続けていくのかと言われれば中々そのようにはなりません。
平気で下げたりします。ここで損切りできたらまだマシですが、塩漬け状態になると最悪です。
損切りしたとして、また似たような初動をした銘柄にINします。残酷なもので、こちらもまた余裕で下げて行ったりします。
自分のイメージよりランダムというのは残酷に働くことは多々あるのです。
表が3回出たから次は裏が出るだろう、という収束の仕方はしません。
次も平気で表が出るようなのが株式市場であり、それを認めた上で何度も何度もやらなければならないのです。
そしてどこかで掴んだその1回の上昇をしっかりホールドし続けて多額の利益を取るのです。
ですが、実際にやってみると、何度も損切りをさせられている状況で上のような状況になると、早めに利確したくなってしまうのです。そこで利確してしまうと、やっぱり期待値はマイナスになってしまうんですね。
9回失敗して、次の1回でチャンス銘柄にINできたとき、ある程度上昇したところで利確するのではなく、上昇し続けて下落を見たところで売ることが大切です。
【アイデアを持てる人が勝つ。仮説を立てよ。】
cisさんは、「こうなったらこうなるだろうな」という仮説を多く持っていると言います。
それも、金利が上がったら株価が下がるみたいな一般的に言われがちなものではなく、あまり知られていないような優位性を持ったアイデアです。
機を伺い、その仮説に対応する状況になったとき、「はい、待ってました」という形で勝負を仕掛けるそうです。
もちろんその全てが的中するわけではないですが、期待値がプラスになるトレードなので、試行回数を増やせば増やすほど資産が増加していくトレードということになります。
当然ではありますが、手法が普遍的になればなるほど優位性は薄まります。
みんなが同じようなタイミングでトレードをするので、取れる利幅がどんどん狭くなるのです。
冒頭でも書きましたが、手法は時を経て陳腐化していくのでこのようなアイデアを常日頃産み出せるような人が市場で勝ち続ける秘訣でもあると言えます。
【プロセスが大切】
株式相場に関わらず、ポーカーや麻雀といったその他ギャンブルにおいて、最も重要なのはその時々の局面において期待値の高い選択肢を取れるかどうかです。
ギャンブル的要素がある以上、期待値が高い選択肢を選んでも負けてしまうことは必ずあります。
ですが、期待値の高い選択肢を選び続けられたか?というプロセスが重要で、このプロセスを踏み続けることができれば自ずと勝ちが増えて行きます。
cisさんは、期待値の高い選択肢を選び続けて、有利な状況のまま試合を進めることができた上で、最後に逆転負けしてしまったとしても、「有利に試合を進めさせてくれてありがとう」くらいの気持ちでいると仰ります。
株式相場やその他ギャンブルは一回の勝負で全てが決まるとは限りません。(カイジみたく1戦で人生が全て決まってしまうような状況であれば別ですが、、、笑)
常に期待値の高い選択肢を取り続けてトレードし続けることが大切であることが伺えるかと思います。
上記のように、数多くの参考になる言葉や生き方が掲載されている著書でございますが、結局のところ本の内容を活かすことも殺すことも全て当人次第だとも言えます。
具体的な手法が記載されていないからこそ、この本質的な部分に気付いて今後行動することができるかどうかが勝ち組トレーダーになれるかどうかの分け目だと思います。
リセマラが気になる方はこちらも!
【cis】230億稼いだ伝説トレーダーの初単著本「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」|まとめ
cis氏の初単著本「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」に関してまとめましたが、いかがでしょうか?
「当書を読んで実際に稼げるのか」というのは当然ながら、読んだ上でどのように投資に活かすのかというリテラシー次第と言えます。
「こんなことが起きたら、こんな展開で儲かる」
cis氏のように儲かるアイデア・仮説を多く思い付き実践できることが非常に重要です。(それが難しいよ!というのもちろんですが)
今回まとめた話以外にも、数多くの参考になる情報は記載されておりますので、気になる方は是非著書を購入して読んで見て下さい!
ベストセラーにもなっているほどの名著です。
230億もお金あったら何するかなぁ...
家買って車買って...
それでも全然余るよなぁ笑
また、株式投資を始めてみたい!
という方はこちらの記事も参考にしてみて下さい!
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