ショパンの人気で有名なクラシックピアノ名曲7選をまとめてご紹介します。
ショパンコンクールの名の由来ともなっているショパンの有名で人気な名曲陣。
別れの曲やノクターン、雨だれなどどこかで聴いたことのある名曲です。
普段ショパンの名はよく聴いたり、街中で流れていたりはするけどちゃんと知っているか?と問われれば「うーん...?」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方に向け本記事では、ショパンってどんな人物なの?から始めオススメのピアノ名曲のご紹介をしていきたいと思います。
これからショパンを聴く方や既に知っている方も改めてぜひ参考にしてみてください!
目次
フレデリック・フランソワ・ショパンとは?
フレデリック・フランソワ・ショパンは、前期ロマン派音楽を代表する作曲家です。
1810年にポーランドで出生、1831年から住み始めたパリで1849年に結核で亡くなるまで、ピアノ曲に絞った創作活動を行いました。
「ピアノの詩人」と呼ばれたショパンは、ピアノの表現形式を拡大し、ピアノ音楽の新しい地平を切り開いたと言われています。
1820年代の終わり、ヨーロッパにはすでにロマン主義が音楽の分野でも盛んに広がり、繊細に揺れ動く詩人の魂がピアノで表現され、超人的な技巧で聴衆を熱狂させるヴィルトゥオーゾ(超絶技巧演奏家)が華々しく活躍しました。
ショパンはピアニストとしても、また作曲家としても有名でした。
生涯を通じて肺結核に悩まされた病弱さがありながら、繊細な作風の物ばかりではなく、大国ロシアに支配され続けた祖国ポーランドへの情熱的な愛を感じる曲も多くあります。
ポーランドには、独特の3拍子リズムを持つマズルカ、ポロネーズを初めとした民族舞曲が多くありました。
その風土、環境の中で育ったショパンは、農民に伝わる素朴な民族舞曲であるマズルカや、貴族に伝わる堂々としたリズムを特徴とするポロネーズの作品を多く作っています。
1949年にわずか39歳の生涯を遂げ、「心は祖国に」との遺言どおり、その心臓はワルシャワの聖十字架教会に納められています。
39歳はある意味短い人生かもしれませんが、7歳から神童と呼ばれたショパンの音楽の変遷は当然ながら簡単には語りきれない歴史があります。
ここではほんの一部ですがショパンの歴史を簡単に追いながら、オススメの曲をご紹介したいと思います。
ショパンオススメのピアノ名曲7選!
即興曲第4番 嬰ハ短調「幻想即興曲」Op.66<1834年(1835年説も)>
"即興曲"とは、文字通りの即興的に作られたという意味ではなく、あくまで即興演奏のような気分で作られ、そして弾かれる、入念な仕上げをしていない曲のことです。
ショパンが24歳に作り、自由な雰囲気も残しつつ、一つのまとまった作品として構成が考えられています。
緊張感あふれる最初の音に続いて、右手がきらびやかに鍵盤上を駆けめぐるこの曲は、情熱的でありながら優美な部分もあります。
ショパンは卓越したピアニストであり、即興の名人でした。
当時、パリの人々は派手なグランド・オペラに熱狂するように、ピアニストにも華やかな名人芸やオーケストラに対抗できるようなダイナミックな演奏をする”ヴィルトゥオーゾ(超絶技巧演奏家)”に夢中でした。
人気の高い「フランツ・リスト」に匹敵するピアニストとして、人々に認められるようになっていきます。
ポロネーズ第11番 ト短調<1817年>
作曲したのはショパン7歳のとき。
ショパンの全作品241曲の中で最初に出版されたのがこのポロネーズです。"ポロネーズ"とは、ポーランドの代表的な民族舞曲の一つで、「ゆったりとしたテンポに乗って、ペアになった男女が行列して歩くように踊る音楽」です。
ショパンは生涯で18曲のポロネーズを作曲しました。
そのうち16曲がピアノ独奏用の作品で、この作品は少年時代のみずみずしさ、愛らしさが肌に伝わる作品です。
心の中に浮かんだ音楽を、生き生きとピアノで弾く幼いショパンの姿が目に浮かぶようです。当時まだ楽譜を書くことができなかったショパンの代わりに、ピアノ教師ジヴニーが、ショパンの弾く音を書き取ったと言われています。
リセマラが気になる方はこちらも!
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調Op.11<1830年>
3つの楽章全部を演奏すると40分を超える大曲です。
ショパンのピアノ協奏曲は2曲ありますが、いずれも20歳前後の作品で、難曲でありながらも、ショパン独特の美しいメロディがちりばめられ、若々しい魅力にあふれています。
ショパンが愛する祖国を離れてウィーンへ旅立つことを決意し、その告別の演奏会において初演となったこの協奏曲は大喝采を浴びたと言われています。
特に第2楽章は、ショパン自身が「春の夜の瞑想のように、たくさんの幸福な思い出を呼び覚ますような印象を与えられたら」と言葉を加えたとされ、繊細でみずみずしく優美な曲です。
ショパンの祖国ポーランドの首都ワルシャワにおいて、5年に1度、ショパンの命日前後に約20日間に渡って開催される「ショパンコンクール(正式名称:ショパン国際コンクール)」では、予備審査、一次、二次審査に残った10数名が、本選でオーケストラとの共演によるピアノ協奏曲が演奏されます。
ノクターン(夜想曲)第2番 変ホ長調 Op.9-2<1831年>
”ノクターン”とは、日本語で「夜想曲」。
静かな夜の気分を表す小品”のことで、通常左手のシンプルな伴奏に乗せ、右手は歌うように表情豊かなメロディを奏でます。
ショパンはノクターンを21曲作曲しましたが、このノクターンは、ショパンの全作品の中でも1、2を争うほど有名な曲です。
作品がうまれたのは、ショパンが祖国を離れて音楽の都ウィーンに期待と希望を抱いて暮らし始めたその時代。
政治状況は深刻な状況で、オーストリアにおいてポーランド人は受け入れられず、ショパンは失意と孤独を抱えた日々を過ごしていました。
「自分の激情をありったけピアノに向かってぶちまける」と友人への手紙に綴っており、生まれてはじめて経験する深い孤独の中、ショパンは小さい部屋でピアノと向き合い、作曲を続けていました。
その中で生まれた作品と言われています。
エチュード第3番ホ長調「別れの曲」Op.10-3<1832年>
ショパンと言えばこの曲、というくらい有名な曲です。
ショパン自身も「自分の生涯でこれほど美しいメロディを作ったことはない」と、この曲について語っています。
しかしこれもエチュード(練習曲)の一つです。
メロディを担当するのは右手の中指、薬指、小指で、通常弱いとされる指でメロディを浮かび上がらせることを通して指を鍛えることを目的としています。
テンポがゆっくりな部分はなめらかに歌うように演奏する音楽的な練習にもなります。
バラード第1番 ト短調 Op.23<1835年>
全体の長さは10分ほど。
幻想的で何かに語りかけるような冒頭部分が印象的です。愁いを帯びた独り言のような部分を経て、ときに切なく、ときに豊かに歌い、最後は激情的な表現でおわります。
"バラード”とは、そもそも”伝説などを題材にした物語詩”のことで、この曲は祖国ポーランドの国民的詩人が書いていた愛国的な詩にインスピレーションを得て作ったと言われています。
同時代の作曲家たちとは一線を画する試みであり、そこにはショパンが自分自身の生き方を模索する姿がありました。そしてこの作品を完成させた頃から、ショパンは一時大きな演奏会への出演をやめたほどでした。
この曲は「四月は君の嘘」の最後で使われたり、羽生結弦選手の演奏曲としても使用されていたりと知名度はとにかく高いよね!
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プレリュード第15番 変二長調「雨だれ」Op.28-15<1839年>
全曲を通して、淡々と規則正しく鳴る一つの音が、「雨の滴」を連想させます。
ショパンはこの曲を、スペインのマヨルカ島で完成させました。
ショパンが28歳のときです。
26歳で出会った恋人のジョルジュ・サンドとその子2人と一緒でした。
<雨だれ>は、後年サンドが出版した自叙伝の記述から由来したと言われています。
この曲では、優美で夢を見るような旋律が心地よく聞こえていたかと思うと、激しさ、不気味さを感じさせる旋律が流れ、幻想的な世界を作っています。
鮮烈な日差しと力強い自然を感じるマヨルカ島での夢のような日々は、ショパンの病状が悪化したことから一変し、隔絶された修道院に身を移さなければいけなくなります。
そこで静かな絶望の中、涙を流しながらピアノを弾いているショパン。限りなく深淵な自己の内面へと沈んでいる姿を映し出すようです。
【クラシック】ショパンの人気で有名なピアノ名曲7選|まとめ
ショパンのピアノ名曲をご紹介していきましたが、いかがでしょうか?
その人の歴史を通して音楽の変遷を見ていくことで、その時代や作品の背景が見えて、味わい方も深まるものだと思います。
今回はとても大まかな形ですが、ショパンの人生を追いながら、その時代に作られた代表的な作品を見ていきました。
どの作品も、美しく深い旋律に心が満たされ、“音楽の詩人”と表現されたことの意味が心にストンと落ちるように感じます。
様々な素晴らしいピアニストがそれぞれの表現方法でショパンの音楽を再現しようと試み、贅沢な味わい方ができます。
まずは一曲、気になる曲を味わってみられてはいかがでしょうか。
ショパンの名曲を弾きたい!という方へ
ここまでショパンの名曲をご紹介しましたが、実際に聴いていると弾きたくなってくるものですよね!笑
私自身ピアノを10年以上習っているのですが、初めてあのショパンの曲が弾けるようになった時は正直感動的でした。(ちなみに最初に弾けるようになった曲は幻想即興曲)
最後にはなりますが、ピアノ名曲が実際に弾けるようになるオススメの教材がありますのでご紹介したいと思います!
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